中医学を知ってさえいれば薬膳がわかる?
薬膳は、中医学理論に基づいて施膳されるものです。
ですから、薬膳を勉強するためには、中医学理論は不可欠です。
では、中医師はみな薬膳を知っているのでしょうか。
否、薬膳とは薬膳学、食療学、飲食栄養学なども勉強して、どんな食品がどんな作用を及ぼすのかも知らなければなりません。
今、世の中に出回っている薬膳関係の本は、料理研究家が薬膳を勉強して作っているもの、中医師が食材を提示して料理研究家が作っているものがあります。
料理として考えたときは、薬膳としての効き目よりゆるい内容で、病気に対する薬膳として考えた場合は、ある程度料理としての体裁はカットされるかもしれません。
そんな中、先生としての資質を問うと、薬膳を料理として勉強した方は、たぶんにして中医学の詳細な理論にはうといことがあり、中医学を勉強した方は、逆に食材をあまり知らなかったりします。
中医学は中国の伝統的な医学ですので、本場中国人に学ぶということは、ストレートにその知識が入るということですが、中国にある食材でも日本にはなかったり、同じ食品なのかというすり合わせができなかったり、料理自体が中国料理から脱却しなかったり、ということが起るわけです。
中薬は学名(ラテン語)が表記されている本があるので、名前が異なっていても同じかどうかは学名で判断することができますが、食品は判断できないものが多いのが実情です。
この前なんて、鴨と家鴨が同類で出てきたので、とまどっちゃいました。
肉としての、四気、五味を考えた場合は、同類で良いのかなとは思いましたが、同じ樹木でも桂枝と肉桂は違うものとして分類されているので、変に細かい部分とアバウトな部分が混在して訳がわからない状態になったりします。
ちょっと、薬膳を勉強すると、どんな先生に習いたいのか、その全体像が見えてきます。
「僕らに必要なのは、中国でちゃんと勉強してきた日本人の先生だよ。」
でも、そんな人は非常に少ないのが現実です。