チャングムに出てくる床ずれの話
チャングムの中で、最高尚宮がチェ内人にチェ一族の話をするところがあります。
五代前のチェ・マリ尚宮が、状勢を察知し新勢力に加担するために、床ずれに苦しむ文宗大王に豚肉をずっとお出しし、そして最高尚宮になった、というのです。
これに対し、チェ内人は「床ずれにはお肉は御法度のはずです。」と言います。
床ずれに豚肉?
一瞬、何のこっちゃという感じですが、これを考えてみます。
www.mcn2k.co.jp/mcn/situmon/situmon2.html参照
床ずれとは、圧迫などで血行が悪くなり、皮膚に栄養、代謝障害が起こり、この状態が長時間あるいは繰り返されることで、身体の接触面にただれが起こる、もしくは皮膚や内部組織が腐った状態になることです。
原因としては以下の要因が挙げられます。
1.圧迫(体にかかる圧力分散不良による血行障害)
2.湿潤(発汗や失禁)
3.摩擦・ずれ
4.栄養不足や加齢、むくみ等による内的要因
外的に湿邪がある湿気の多い季節にも床ずれは発生しやすいし、内的に湿や水の多い人はむくみやすく、痰湿によって起る病といえそうです。
そこで、豚肉ですが、性味は甘、鹹で、滋陰、潤燥、益気とあります。
使用注意には、『温熱痰滞内蘊者慎服』。
体内に痰湿が留まっている人は、あまり食べないようにとのことです。
豚肉には、気を増す作用もあるので、一般人には、元気をつける食べものとしか映らないところが、ミソかもしれません。
体に悪いものを食べさせられているという意識がないからです。
豚肉はこのように説明できるとしても、肉全般が床ずれには御法度の意味が、よくわかりません。
肉は消化吸収するのに時間がかかるので、良くないということでしょうか。