チャングムが薬草園で見つけた白菜
無断で宮廷の外に出てしまった結果、薬草園勤務という閑職に追いやられてしまったチャングム。
薬草園にいる者たちは、皆、やる気がなくゴロゴロしています。
あまりに、やる気のないウンベクを見て、
「そこの雑草抜きなさい!」
というチャングムに対し、薬草を抜いてしまうウンベク。
チャングム「これは柴胡(シホ、さいこ)よ。これは何首烏(ハスオ、かしゅう)、これは石蒜(ソクサン、彼岸花)、そしてこれは...」
ウンベク「それは、某(スン、白菜)だ。内火上汁(ネファサンジュブ、内蔵に熱がこもる)によく効くんだ。頭をすっきりさせ、便秘にもいい。特に二日酔いの喉の乾きをいやすには最高だ。」
16世紀のこの時代、白菜は薬草だったんですね。
日頃、宅配で白菜が来ると、けっこうジャケンにしているので、反省。。。
毎週、大物野菜が来ると、冷蔵庫が満杯で、つい、野菜をたくさん食すために頼んでいるのを忘れてしまいます。
白菜が体にどのような効き目があるのかを最初に書物に書き表したのは「忽思慧」で、『飲膳正要』に載っています。
飲膳正要は、薬ではなく、初めて日常的な食物のはたらきを記載した書物で、薬膳の原典といわれています。
この飲膳正要の中には、肉といったらやたらと羊肉が出て来るので、私も友だちも不思議に思っていました。
授業のときに、先生から 『元』 の時代のもの、といわれた瞬間、ハッと気づいたんです。
元といったらモンゴル、ジンギスカーンの時代のこと、羊を日常的に食べていたはずです。
その飲膳正要によると、
白菜の五味は甘で、四気は平、
胃・腸・肝・腎・膀胱に帰経(選択的にこれらの経絡に働くということです)し、清熱除煩、通利腸胃、利尿
の働きがあると書かれています。
イライラして体に熱がこもっている者の熱を冷まし、胃腸の調子を調え、利尿効果があるということですね。
現代人にとっては、積極的に摂った方がよい野菜といえるかもしれません。