五兪穴(井栄兪経合)の陰陽
体の中の経穴(ツボ)には、肘から下、膝から下の部分に五行にたとえた重要なツボ、五兪穴があります。 それは、末端からそれぞれ井穴、栄穴、兪穴、経穴、合穴と呼ばれています。
中国の古典である「難経」六十八難には、それぞれの経穴を水の流れにたとえています。
所出為井。所流為栄。所注為兪。所行為経。所入為合。
井穴は気が出るところ、栄穴は流れていくところ、兪穴は注ぐところ、合穴は気が入るところ、とあり、さらに、それぞれの穴はどんな症状のときに使うかを示しています。
井主心下滿。栄主身熱。兪主体重節痛。経主喘咳寒熱。合主逆気而泄。
これらの井栄兪経合の各穴は、五臓六腑に対応しており、陰に属する臓は、それぞれ肝(木)・心(火)・脾(土)・肺(金)・腎(水)の順に対応していますが、陽である腑はそれぞれの臓との表裏関係ではなく、大腸(金)・膀胱(水)・胆(木)・小腸(火)・胃(土)の順に対応しているんです。
表にすると、
五兪穴 | 井穴 | 栄穴 | 兪穴 | 経穴 | 合穴 |
陰経 | 肝(木) | 心(火) | 脾(土) | 肺(金) | 腎(水) |
陽経 | 大腸(金) | 膀胱(水) | 胆(木) | 小腸(火) | 胃(土) |
陰経でいうと、春には木の肝経の井穴を、夏には火の心経の栄穴を治療するとよいという記述もあり、たとえば、春はイライラ肝気が上りやすい時期なので、肝陽が上亢しているときは指先の井穴(肝経は足の親指にある大敦穴)から点刺させて血をちょっと出すと肝気がおさまるといわれています。
井穴は気が出るところ、合穴は気が深く体内に入るところで腎にたとえられています。
腎は体内の奥深くに気を収蔵する場所。
陰経の場合は、季節と臓と井栄兪経合の対応がぴったりだと思えますが、はたして陽経の場合は?
なぜ、金水木火土の順に変わるの?
どなたか、おわかりになる方、教えてください。