『君臣佐使』は方剤だけではない
方剤(漢方薬)の組成は、
『君臣佐使(くんしんさし)』
ということばで表現されます。
君主、大臣、地方長官、庶民にたとえた、それぞれの薬の役割がその方剤の内容を決めているのです。
でも、この『君臣佐使』は、方剤に限って使われていることばではありません。
鍼灸処方においても、主穴(君穴、臣穴)に佐穴、使穴をプラスして配穴されます。
病を主る之を君と為し、君を佐く之を臣と為し、臣に応ず之を使と為す。
「素問・至真要大論篇」
よく見ると、この文章、薬について限定しているわけではないですね。
鍼灸配穴の例として、
処方名:醒脳開竅方
組成:主穴−内関(双)、人中、三陰交(患部)
配穴−極泉(患部)、尺沢(患部)、委中(患部)
効能:醒脳開竅、補益肝腎、疏通経絡
主治:中風
解説:内関−養心安神、疏通気血
人中−調督脈、開竅健脳安神
三陰交−補腎滋陰(熄風)、養脳填髄
極泉・尺沢・委中と配すると−開竅醒神通絡
どうです。
方剤も配穴も同じようでしょ。
みんな、同じ古典から引用しているのが、中医学のおもしろいところですね。
コメント
この 君臣佐使が難しいですよね。
メニューを作る時悩んでしまいます。当然個人個人によって、ベストな組み合わせが違う訳だし・・・・
方剤の本を眺めながら、ひたすら悩むだけで、解決しがたい難題です。
投稿者: kame | 2006年06月27日 10:58
オオーッと、然り。
やられました。
方剤の君臣佐使は、なるほどとか言いながら読んでいても、施膳のときは君臣佐使のバランスまでは考えたことがありませんでした。
そうですよね。
薬膳でも、それはいえることです。
でも、そこまで考えると私はメニューを作れない。
どうせ、薬に比べると食物は働きが強くないし(ちょっと自己弁護です)。
投稿者: toukikou | 2006年06月27日 14:54