肝経湿熱(チャングム)
一昨日のチャングムは、王様のご病気をチャングムが診断し、肝経湿熱としていました。
主治医が肝腎陰虚と診断し、処方薬が甘草瀉心湯なのに対し、チャングムは竜胆瀉肝湯でした。
主治医がつきとめた病名は「狐惑病」。
陰を蝕まれることを「狐」、喉を蝕まれることを「惑」というそうですが、その病気になった原因の見解が主治医とチャングムでは異なっていたのでした。
肝陰が少なくなると相対的に陽が増え、肝陽上亢になりますが、湿熱による実火である肝火上炎とは虚なのか実なのかの大きな違いがあります。
しかし、症状としては非常に似ているために、「弁証」を間違うことがあるんですね。
湿による熱で体を蒸された状態になった王様は失明しそうになりますが、肝経の走行が目にいっていることや、肝の主る竅(体には九つの竅があります。鼻、目、口、耳、二陰)が目であることからのようです。
本には、肝経湿熱が進むと陰器に影響があるように記載されていますが、目に行くとは書いてませんでした。
そして、チャングムの処方した経穴は、
大敦(だいとん)、竅陰(きょういん)、光明(こうめい)....承泣(しょうきゅう)、攅竹(さんちく)、睛明(せいめい)
でした。
これらの経穴は、ほとんどが失明を恐れた結果、眼に効くものを選穴しているようです。
ですから、....のところは、他にもあるけれどはしょったよ、ということでしょう。
医務官たちは、承泣、攅竹、睛明が入っているので驚きます。
王様には普段、何かあってはいけないと眼のまわりの経穴は打たなかったようですね。
そしてさらに、チャングムが処方した薬は防已と紅参(朝鮮人参を蒸して干したもの)でした。
砒素中毒を解毒するためと、大補元気の人参で気力を取り戻すのが目的のようですが、防已って解毒できるのでしょうか。