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チャングムが王様にしたマッサージ

目が見えなくなった王様に対して、チャングムが手当てしたマッサージ。
MBCのチャングムの公式ページによると、このマッサージが推拿療法であると書かれており、経絡を刺激することによって病を治療するとあります。

チャングムが、両手の小指球を使って、背骨の両側を上から下へ推法を行う場面があり、ふーん、こんな推法もあるのねえ、と、くいいるように見てしまいました。
王様役の方は、チャングム役のイ・ヨンエさんからマッサージをしてもらえるというので、楽しみだったそうですよ。
画面では数分でしたが、撮影するには、きっと何十分もかかったことでしょう。
チャングムの額の汗は、必然で出てきた汗なんだろうなあと思いましたもの。

推拿(すいな)は、中国医学の三大療法の一つで(他の二つは湯液と鍼灸です)、2000年以上もの歴史があります。
かの『黄帝内経・異法方宜論』には、それぞれの療法が広い中国大陸のどの地方から発生したかが記述されており、推拿は中央から起こったとあります。

中央者、其地平以湿、天地所以生万物也衆。其民食雑而不労。故其病多痿厥寒熱。其治宜導引按蹻。

中央の地域は地形が平坦で湿気が多く、産物は豊富で食物の種類は多く生活も比較的安定している。
この地域では、痿弱・厥逆・寒熱などの疾病が多発する。
治療法としては、導引・按蹻の方法が用いられるべきである。
(参考:現代語訳・黄帝内経素問上)

中国政府は、明の時代より、医療行為としての按摩は推拿と称しているそうです。
按摩なら、何となくわかるという人は多いのではないでしょうか。

導引は太極拳の元となったもの、按蹻は按摩と気功を指しているようです。
そういえば、チャングムにもその名前が出てきた華佗(後漢時代の傑出した医学者)が考案したという気功法、五禽戯は、養生法として有名ですね。

推拿の手法は、振動、摩擦、圧迫、関節の運動などの運動形式により分類されます。
● 擺動類(はいどうるい)−手関節を振り子運動のように動かす
● 擠圧類(さいあつるい)−相対的な一方向の圧力を加える
● 摩擦類−摩擦する
● 振動類−患部を振動させて刺激を与える
● 叩撃類−叩き打つ
● 運動関節類− 関節可動域を拡張させる

これらの中に、手技として、揉法、按法、搓法、推法、拿法、捻法、点法、拍法、弾法、揺法などがあります。
ね、ほとんどの手技には、「てへん」がついているでしょ。

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