足の反射療法のルーツは、インドや中国にあるとされています。
古くは、黄帝内経の足心篇に脚底按摩として記述されているそうですが、現代語訳版として出版されている黄帝内経の中には、足心篇なる篇はありません。
が、ネットで検索すると、100件ぐらいヒットしますので、中国にはあるのでしょうか。
あの有名な医者である華陀は、「華陀秘笈」の中で足心道について語っているそうですが、この書物が現存するものなのか、他の書物に引用されているものなのかはわかりません。
なぜなら、名医華陀は権力者の怒りをかってしまったために、処刑されてしまい、牢獄にいるときに著した書物を牢番にたくそうとしたけれど、巻き添えになるのを恐れた牢番が拒否したため、やむなく華陀の著作は煙になってしまったと中医学の歴史本には書いてあるからです。
足裏反射は、経絡とは別の中医学の理論なのです。
西洋医学の反射とも違います(例:膝蓋腱反射)。
体の一部分に、体全体が投影されているという理論に基づいているので、その投影する部分を刺激すると、内臓なり肩などの不快な症状がとれるということなのです。
この理論は、中医学の他の部分にも応用されています。
たとえば、
三部九候診は、手首の9箇所の脈を探ることによって五臓の調子がわかりますし、
舌は、五臓の状態を反映し、
耳は、胎児の形にあてはめられ、それぞれのツボを刺激することによって体の不調を改善することができます。
足や手もそれと同じ原理なのです。
足のある部分に傷があったりして刺激を加えられないようなときは、足と対応する手の部分に刺激を加えることによって代替的な治療を施すことができます。
中国が足裏反射の源流なのだとしたら、なぜ発達しなかったのか。
それは、纏足などが行われていた封建社会では、足に治療するという行為がすたれてしまったから。
だから、逆に、欧米の方がその反射理論を追求し、科学的に解明しようとしているようです。
その波及のおかげで、中国でも足底按摩が見直されているようですが、中国の足のゾーンはドイツ式(マルカート女史のもの)に比べると細かくないのだそうです。(私自身は見比べていませんが、先生がおっしゃるには)
ドイツ式は、腹腔神経叢(ちょうど湧泉穴のあたりなんですよね)を重要視しますが、中国式は腎臓、膀胱といった排泄部分を重要視するとか、ドイツ式は指の末節をカクカク前進させていくけれど、中国式は推拿の技法をいろいろ使うとか、違いはいろいろあります。
それに、英国式(こちらは、爪が立たないように指の末節に力を入れて押すようです)や、台湾式も加わって、足裏反射は花盛り状態ですね。
個人的には、台湾式の強い手技で、施術してもらっているときは痛いけれど、終わると足がと〜っても軽く感じるという方が好みですねえ。(理論は、ドイツ式がいいかな)