更年期障害
更年期障害は、腎機能の衰えであり、腎陰虚あるいは腎陽虚の場合がある。そのため、陰陽を調節し、臓腑気血の平衡を原則とし、合わせて精神情志を調える。
証 |
症状 |
腎陰虚 |
めまい、耳鳴、やたらと汗が出る、腰や膝がだるい、月経は過多か過少、皮膚が乾燥して痒い、唇乾燥、口が渇く、手足がほてる、便秘。舌質紅、舌苔は少ない、脈細数。 |
腎陽虚 |
顔色はくすんだ白、手足や体が冷える、腹が張る、下痢、月経量は多く色はうすい、倦怠無力、足腰がだるい、夜間の尿が多い、顔がむくむ、舌質淡、舌苔薄白、脈沈細無力。 |
膳食原則
総熱量を控える。更年期後は各種の活動が減少し、代謝率は低い。
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高たんぱく質の食品を多くとる。鶏、鴨、魚、肉、乳製品、大豆、落花生等。 |
油っこいもの、脂肪を多く含むものは少なくする。 |
塩分を少なく、カルシウムや亜鉛を補充する。 |
緑色や黄色の各種野菜や果物を多くとる。 |
炭水化物を選び、糖分を少なく、消化吸収のよいものを主にし、芋類を多くとり便秘を防ぐ。 |
腎陰虚の場合の薬膳
細切り豚肉と枸杞炒め |
枸杞子30g、豚肉100g、青笋(若いたけのこ)30g |
豚肉とたけのこは千切りにし、枸杞は洗う。鍋を熱しラードを入れ、肉とたけのこを炒める。枸杞を入れ、塩、醤油で調味し、水溶き片栗粉でとろみをつける。 |
滋補肝腎 |
生地黄と黄精のお粥 |
生地黄30g、黄精30g、米30g |
生地黄と黄精を煎じ、薬液をとる。それに米を入れてお粥にする。 |
滋陰清熱、補気養血 |
百合湯 |
新鮮な百合根50g、大棗15g |
百合は水に一昼夜つけ、大棗は水から煎じて薬液をとり、それで百合を煮る。 |
生津滋陰安神。百合清心安神、養臓益智、大棗は養心安神。 |
ツバメの巣のシロップ |
ツバメの巣3g、氷砂糖30g |
ツバメの巣は50度の湯に入れて柔らかくし、湯から揚げたら細く切る。250ccの水に氷砂糖を入れとろ火で溶かしてシロップを作り、ツバメの巣を入れて沸騰したらできあがり。 |
生津養血 |
腎陽虚の場合の薬膳
枸杞と羊の腎臓のお粥 |
枸杞子30g、羊腎臓2対、羊肉250g、ネギ1本、米50g |
羊の腎臓と肉は細かく切る。材料を合わせて鍋に入れ、粥にする。 |
補腎、助陽、填精益髄 |
冬虫夏草と鴨のスープ |
冬虫夏草10g、ひね雄鴨1羽、紹興酒15g、生姜5g、白ネギ10g、胡椒3g、塩3g |
鴨のお腹の中に、冬虫夏草、ネギ、生姜を入れる。鍋に鴨を入れ、スープを加え、塩、胡椒、紹興酒で調味する。 |
温補腎陽 |
二仙入り羊肉煮 |
仙茅15g、仙霊脾(淫羊藿)15g、生姜15g、羊肉250g |
羊肉を細かく切って、土鍋に入れ水を加える。仙茅、chuyaku/inyokaku.html、生姜は布に包み鍋に入れる。肉が柔らかくなったらできあがり。 |
温補腎陽 |
附子と鯉のスープ |
制附子15g、鯉500g |
鯉は鱗を取って洗う。附子に水を加えて煎じ薬液をとり、その中に鯉を入れて煮る。生姜のみじん切り、ネギ、塩で調味する。 |
温腎利水 |