冬虫夏草(とうちゅうかそう)
- 分類
- 補陽薬
- 出典
- 本草従新
- 処方用名
- 冬虫夏草、冬虫草、虫草
- 基原
- コウモリガ科 Hepialidae の Hepialus armoricanus OBER. などの幼虫にバッカクキン科 Clavicipitaceae のフユムシナツクサタケ Cordyceps sinensis SACC. が寄生し、子実体を形成したもの
- 性味
- 甘/温
- 帰経
- 肺、腎
- 効能
- 益腎補肺、止血化痰
1.インポテンツ、遺精、腰膝痠痛などに用いる。
単味で酒に浸けて服用するか、杜仲、淫羊藿、巴戟天などの補腎常用薬を配合して使用する。
2.虚証に属する慢性咳嗽、喘息、痰に血が混じるなどに用いる。
冬虫夏草は腎陽を補うことができるし、肺陰を養うこともできる。
また止血化痰の作用がある。
単味で、あるいは他の補益肺腎薬と配合する。
たとえば、肺陰不足による咳嗽、喀血には、沙参、阿膠、川貝母など養陰清肺、止血化痰の薬を配合すべきである。
他は、病後の衰弱あるいは自汗、畏寒には、鶏、あひる、豚肉などとともにとろ火で煮て食べると、補益の作用がある。 - コメント
- 冬虫夏草って、自分で食べてしまうまでは腰が引けてました。
薬膳の本などには載っていても、値段も高いし自分で調理するのはちょっとね、という思いでした。
ところが、銀座「星福」の薬膳クラブでの養肝明目がテーマのとき、スッポン料理に冬虫夏草が入っていました。
スッポンを食べるのも初めてなら、冬虫夏草も初めてのこと。
「薬だと思ってお召し上がりください」の声に後押しされ、尻込みしつつも全部食べてしまいました。
一度食べてしまえば、なんということはない。
薬膳仲間がチベットで買ってきたものをいただき、煮込み料理にしました。
韓国ドラマ「宮廷女官チャングム」に出てくる冬虫夏草は、もっとボリュームがあっていかにも茸といったイメージですが、日本で一般に売られているものは細いタイプのもの。
後日、漢方薬局でよくよく話をうかがうと、冬虫夏草はいろいろなものがあるとのこと。
フユムシナツクサタケが寄生する幼虫の種類により、成分も異なり形もいろいろあるのです。
他は、病後の衰弱あるいは自汗、畏寒には、鶏、あひる、豚肉などとともにとろ火で煮て食べると、補益の作用がある。
冬虫夏草だけで、一冊の本が出ているのですよ。う〜ん、奥が深い。
最近、私はパワーアップのため(元気が足りないのです)に、冬虫夏草をバイオで培養した粉を飲んでいます。
冬虫夏草は平補だから、長く飲まないと効かないという方もいるようですが、そんなことはありません。
飲んだ人にだけ違いがわかる。腎陽を補い、陰陽のバランスをとるといわれているのが、ものすごく実感できる優れものです。
(補法とは、人体の気血陰陽を滋養、補益する治法で、峻補と平補の違いがあります。
もちろん、峻補の方がすばやく効きます。) - 参考
- Cordyceps sinensis の画像