紫河車(しかしゃ)
- 分類
- 助陽薬
- 出典
- 本草拾遺
- 処方用名
- 紫河車、杜河車、人胞、胎衣、胎盤粉
- 基原
- ヒト科 Hominidae のヒト Homo sapiens L. の胎盤
- 性味
- 甘、鹹/温
- 帰経
- 心、肺、腎
- 効能
- 補精、養血、益気
1.腎気と精血の不足による不妊症、インポテンツ、遺精、腰がだるい、眩暈、耳鳴などに用いる。
紫河車は補肝腎、益精血の効能があり、補養の作用を兼ねる。
ただし効力は穏やかである。
効力を強めるために、他の補益薬を配合すべきである。
2.気血虚虧による瘰痩、元気がない、顔色が萎黄、産後の乳汁分泌不足に用いる。
党参、黄耆、熟地黄、当帰などを配合して用いる。
3.肺腎両虚による喘息に用いる。
とくに緩解期に使用すると、発作の回数を減少することができる。
もし陰虚内熱を伴えば、熟地黄、亀板、黄柏などの養陰清熱薬を配合すべきで、たとえば方剤は、河車大造丸を用いる。
このほか、気血不足による癲癇の反復発作にも用いられる。
これは、気血を補う作用を利用する。