黄芩(おうごん)
- 分類
- 清熱燥湿薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 黄芩、淡黄芩、淡芩、子芩、枝芩、尖芩、条芩、枯芩、片芩、炒黄芩、酒芩、酒黄芩、酒炒黄芩、黄芩炭、オウゴン
- 基原
- シソ科 Labiatae のコガネバナ Scutellaria baicalensis GEORGI の周皮を除いた根。
内部が充実し、細い円錐形をしたものを条芩、枝芩、尖芩などと称し、老根で内部が黒く空洞になったものを枯芩、さらに片状に割れたものを片芩と称する。 - 性味
- 苦/寒
- 帰経
- 肺、胆、胃大腸
- 効能
- 清熱燥湿、瀉火解毒、止血、安胎
1.湿熱による多種病証に用いる。
たとえば、湿温、黄疸、下痢、赤痢、熱淋、癰腫瘡青などの証である。
湿温による発熱、胸が苦しい、苔膩の証に用いるときには、滑石、通草、白蔲仁を配伍する。例:黄芩滑石湯。
湿熱による黄疸に用いるときには、山梔子、茵蔯蒿の補助として、清肝利胆の効能を増強する。
腸胃湿熱による赤痢には、黄連を配伍する。
下焦湿熱を治すときは、乾地黄、木通を配伍する。例:火府丹。
癰腫瘡毒に用いるときには天花粉、白芷、連翹などを配伍する。
2.湿熱病による高熱、煩渇、苔黄、脈数などの証に用いる。
山梔子、黄連、石膏を配伍し、気分にある実熱の清熱、退熱の効能がある。
柴胡を配伍し、寒熱往来証に用いる。例:小柴胡湯。
3.肺熱咳嗽に用いる。
単独では黄芩散である。
半夏、天南星を配伍する。例:小黄丸。
咳嗽痰壅証を治す。
4.内熱亢盛による吐血、咳血、衄血、便血、血崩などの証に用いる。
単独で清熱と止血の効能がある。
あるいは乾地黄、白茅根、三七などを配伍する。
5.胎熱不安に用いる。
黄芩には清熱安胎の効能がある。
常に白朮、当帰を配伍する例:当帰散。 - 注意
- 脾胃虚寒による泥状便、食欲不振に使用するべきでない。
- 参考
- Scutellaria baicalensis の画像