遠志(おんじ)
- 分類
- 養心安神薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 遠志、遠志肉、遠志筒、炙遠志、炒遠志、オンジ
- 基原
- ヒメハギ科 Polygalaceae のイトヒメハギ Polygala tenuifolia WILLD.の根または根皮(芯抜き遠志)
- 性味
- 苦、辛/微温
- 帰経
- 肺、心
- 効能
- 寧心安神、祛痰開竅、消癰腫
1.心神不安、動悸、不眠、健忘に用いる。
動悸の治療には、朱砂、竜歯などを配伍する。例:遠志丸。不眠、健忘の治療には、人参、石菖蒲を配伍する。例:不忘散。
2.痰阻心竅による精神錯乱、神志のぼんやり、驚癇などに用いる。
袪痰開竅の効果を強めるために、よく菖蒲、鬱金、白礬などを配伍して使用する。
咳嗽、痰多で喀出できない者には、杏仁、桔梗、甘草などを配伍して使用する。
3.癰疽腫毒に用いる。
遠志には消散癰腫の作用があるので、癰疽、乳房腫痛の治療には遠志を粉末にして酒で沖服するかあるいは外用する。 - 注意
- 潰瘍あるいは胃炎の者には慎重に使用する。
- 参考
- Polygala tenuifolia の画像