杏仁(きょうにん)
苦杏仁
甜杏仁
皇杏
あんず
- 分類
- 止咳平喘薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 杏仁、苦杏仁、苦杏、光杏仁、光杏、杏仁泥、北杏仁、北杏、キョウニン
- 基原
- バラ科 Rosaceae のホンアンズ Prunus armeniaca L. 、アンズ P.armeniace L.var. ansu MAXIM. などの種子。
苦みのあるものを苦杏仁、苦みがなく甘味のあるものを甜杏仁と称するが、植物形態的な違いはない。 - 性味
- 苦/微温。小毒。
- 帰経
- 肺、大腸
- 効能
- 止咳平喘、潤腸通便
1.咳嗽気滞に用いる。
杏仁には苦泄降気、止咳平喘の効能があるので、配合によって多種の咳喘の治療に用いられる。
風熱咳嗽の治療に、桑葉、菊花などを配合する。
たとえば、桑菊飲を用い、燥熱咳嗽の治療には、桑葉、貝母、沙参などを配合する。例:桑杏湯。
肺熱咳喘の治療には、麻黄、生石膏などを配合する。例:麻杏甘石湯。
2.腸燥便秘に用いる。
火麻仁、当帰、枳殻などを配合する。例:潤腸丸。 - 注意
- 小毒があるので、多量に服用してはならない。
子供に慎重に使用すべきである。 - コメント
- 杏仁豆腐に多く使われているのは、南の地方でとれるので南杏と呼ばれている甜杏仁ではないでしょうか。
杏仁豆腐自体は、比較的新しい料理らしいですが、有名料理人のレシピや中国料理店のレシピなど、バリエーションがこれほど多いデザートはないと思えます。
薬としては苦杏仁で、食品としては甜杏仁というイメージが私にはあるのですが、薬効自体が似ているのでそういうふうに厳密に分けられるものではありません。
杏仁豆腐に使った場合は、どちらがよいか。
作って1日おいたら苦杏仁の方がおいしいという人もいますし、有名料理人はミックスして使っている人もいます。
私は、今のところは、半々にして、水とミルクも半々にするのが好みです。
(杏仁豆腐の作り方) - 参考
- Prunus armeniaca の画像