桑菊飲(そうぎくいん)
種類 | 辛涼解表剤 |
出典 | 温病条弁 |
組成 | 桑葉7.5g、菊花3g、桔梗6g、杏仁6g、薄荷2.5g、連翹4.5g、芦根6g、甘草2.5g |
メモ | 桑菊は、ききょうろれん草(桑菊薄桔杏芦連草) 風温咳嗽 |
方解 | 君-桑葉-清肺絡之熱 -菊花-清散上焦風熱 臣-薄荷-除上焦風熱 -桔梗-解肌粛肺 -杏仁-解肌粛肺 佐-連翹-清透隔上熱 -芦根-清熱生津止渇 使-甘草-薬性緩和 |
用法 | 水煎し分二で服用する |
効能 | 疏風清熱、宣肺止咳 |
主治 | 風温初起。咳のみ、身微熱、口微渇。風熱犯肺。 |
病機 | 風熱の邪が肺を侵犯し、肺気が宣降できなくなって条瘧している病態で、邪は軽浅。 肺気が宣降できず上逆して咳嗽が生じ、これが本証の主症状である。 邪は軽浅であるから、微熱、軽度の口渇を呈するのみで、舌苔も正常の薄白である。 邪正が上焦で相争するために脈は浮を呈し、熱邪であるから数脈になる。 |
方意 | 風温襲肺、肺失清粛、気逆咳。 邪が浅いが身微熱、口微渇。 だから、辛で散風、凉で清肺を法とする。 本方の桑葉は肺絡の熱を清し、菊花は上焦風熱を清し、ともに君薬である。 臣は辛凉の薄荷で桑葉、菊花を手伝って、上焦風熱を除き、桔梗、杏仁は一昇、一降で佐薬とする。 甘草は諸薬を調和し、使薬である。 諸薬が共同して疏風清熱、宣肺止咳の役割を果たす。 邪正病重の者に対しては、原方を加減して処方する。 たとえば、2〜3日表証が不解し、気荒くて喘息に似ているのは気分に熱を兼ねるので石膏、知母を加える。 もし、肺中に熱が盛んで咳が頻繁な場合、黄芩を加えて、清肺止咳を図る。 口渇者に天花粉を加えて清熱生津を図る。 その他、肺熱咳盛で肺絡が傷つき、咳痰に血がある者は、白茅根、藕節、牡丹皮等を加えて、涼血止血を図る。 痰が黄で粘りが強く吐けない者は、瓜荽皮、浙貝母等を加えて清化熱痰を図る。 |