清瘟敗毒飲(せいうんはいどくいん)
種類 | 気血両清剤 |
出典 | 疫疹一得 |
組成 | 生石膏(大剤180〜240g、中剤60〜120g、小剤24〜36g)、生地黄(大剤18〜30g、中剤9〜15g、小剤6〜12g)、犀角(大剤18〜24g、中剤9〜15g、小剤6〜12g)、黄連(大剤12〜18g、中剤6〜12g、小剤3〜4.5g)、山梔子9g、桔梗3g、黄芩9g、知母12g、赤芍12g、玄参24g、連翹15g、生甘草6g、牡丹皮9g、鮮竹葉9g |
メモ | 熱毒氾濫、気血両燔の証 辛寒の大剤で陽明経熱を清する |
方解 | 石膏-清熱保津 知母-清熱保津 甘草-清熱保津 黄連-三焦火熱 黄芩-三焦火熱 山梔子-三焦火熱 犀角-清熱解毒、涼血散瘀 生地黄-清熱解毒、涼血散瘀 赤芍-清熱解毒、涼血散瘀 丹皮-清熱解毒、涼血散瘀 連翹-発散浮遊の火 玄参-発散浮遊の火 桔梗-載薬上行 竹葉-載薬上行 |
用法 | 石膏を先に煎じ、数十分沸騰させたのち他薬を入れる。 犀角は磨汁を沖服する |
効能 | 清熱解毒、涼血瀉火 |
主治 | 瘟疫熱毒、内外氾濫、気血両燔。 大熱渇飲、頭痛ひどい、乾嘔狂躁、譫語神糊、視力減退。 あるいは発斑疹、あるいは吐血、衄血、四肢の場合は、あるいは痙攣、あるいは厥逆、舌絳唇焦、脈沈数、あるいは沈細数、あるいば浮大数。 |
方意 | 本方は主に熱毒氾濫、気血両燔の証を治療する。 熱毒化火、火盛傷津なので大熱煩渇、舌絳唇焦を現す。 熱毒が清竅を逆襲して内に神明を犯す。 だから、頭痛 がひどい、譫語神糊を起こす、熱迫血燔で発斑、吐衄を起こす、熱厥が深く入り、四厥を起こす。 よって、本方は主に陽明気分の疫熱を大いに清する。 大量の石膏と知母、甘草を配伍するのは白虎湯だが、意味は清熱保津にある。 黄連、黄芩、山梔子を併用するのは黄連解毒湯の方義であり、三焦火熱を瀉す。 犀角、生地、赤芍、丹皮を配伍するのは、清熱解毒、凉血散瘀の犀角地黄湯である。 清気法を配伍し気血両燔 の証を治療する。 さらに連翹、玄参を加え「浮遊の火を発散する」。 桔梗、竹葉はその「載薬上行」の効を利用する。 本方は三方からなるが白虎湯の大清陽明経熱を主とする。 瀉火、凉血を配伍し合わせて清瘟敗毒の効を果たす。 清瘟敗毒飲、神犀丹、化斑湯は、みな清熱凉血の効を持つ。 清瘟敗毒飲は熱毒氾濫、気血両燔の証を治療し、辛寒の大剤で陽明経熱を清し、瀉火、凉血で気血両清を果たす。 神犀丹は、邪入営血、熱深毒重の証を治療し、清熱解毒を主として、凉血開竅を併用し、毒解神清を果たす。 化斑湯は気血均熱、発熱、発斑の証を治療し、清気凉血を主としており、清瘟敗毒飲より清気、凉血、解毒の力は小さい。 |
注意 | 現代では、脳炎、流行性脳脊髄膜炎、出血熱等の熱毒盛の症候に対して、本方を加減して用いる。 |