芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
種類 | 調和肝脾剤 |
出典 | 傷寒論 |
組成 | 白芍12g、炙甘草12g |
用法 | 水煎服 |
効能 | 柔肝解痙、緩急止痛(抑木培土) |
主治 | 肝陰不足、肝気乗脾。 腹中の痙攣痛、四肢の筋肉のひきつり。 |
病機 | 肝の陰血不足で、肝気を抑制できず筋脈を濡養できないために痙攣が生じる状態。 火気が脾虚に乗じて横逆し脾気を阻滞すると腹痛が発生し、陰血が筋脈を濡養できず肝気が横鼠すると筋肉の痙攣が生じる。 |
方意 | 本方は柔肝の基本方剤。柔肝とは、肝の陰血を補充することにより肝気を抑制して柔和にし、正常に疏泄が行えるようにすることである。 酸、微寒の白芍と甘、微温の炙甘草は、酸甘化陰により肝、脾の陰を補充する。 白芍は、肝血を補い肝陰を収斂し、柔肝、平肝、緩急止痙する。 炙甘草は益脾生津し、緩急止痛、止痙する。良薬を配合することにより、滋陰平肝、緩急止痛、止痙の効果が強まり、肝の陰血を滋補して肝気を鎮め、脾の気陰を補って肝気の侵害を受けないよう防止することができる。(これが抑木培土である)。 なお、潤燥養筋、緩急止痙の効能により脾不養筋の痙攣にも有効である。 |