枳実消痞丸(きじつしょうひがん>
種類 | 消痞化積剤 |
出典 | 蘭宝秘蔵 |
組成 | 乾姜3g、炙甘草・麦芽曲・茯苓・白朮各6g、半夏曲・人参各9g、炙厚朴12g・枳実・黄連各15g |
方解 | 君-枳実-行気消痞 臣-厚朴-行気除満 佐-黄連-清熱燥湿、除痞 -半夏曲-辛温、散結和胃 -乾姜-温中袪寒 人参-扶正健脾 白朮-健脾袪湿 茯苓-健脾袪湿 麦芽-消食和胃 甘草-和薬益脾 |
用法 | 丸剤にして1日2回、毎回6gを服用、あるいは湯剤として服用 |
効能 | 消痞除満、健脾和胃 |
主治 | 脾虚気滞、寒熱互結。 心下痞満、食欲不振、倦怠無力、大便不調。 |
方意 | 本方は虚実互結、寒熱互結、熱が寒より重い、実が虚より多い等による痞満を治す。 平素の脾胃虚により、昇降失司、寒熱互結、気壅湿聚を起こす。 治療は行気健脾、調解寒熱をする。 方中の枳実は行気消痞をし君薬である。 厚朴は行気除満をし、臣薬である。 二薬は協力して消痞除満の効果を増強する。 黄連は清熱燥湿によって除痞をする。 半夏曲は辛温で散結和胃をする。 乾姜は温中袪寒をする。三薬は配伍して辛開苦降の力がさらに強くなり、枳実、厚朴の行気開痞の効を助ける佐薬である。 平素は脾虚なので人参で扶正健脾をする。 白朮、茯苓は健脾袪湿をする。 麦芽は消食和胃をする。 甘草は和薬益脾をする。 全方は消もあり、補もあり、寒もあり、熱もあり、協力して消痞袪積、健脾和胃の効を果たす。 本方は半夏瀉心湯と枳朮丸から変化したものである。 方中の枳実、厚朴の用量は特に重いが、主に行気消痞をする。 その病は熱が寒より多いので黄連の用量は乾姜より多い。 健脾丸、枳朮丸と本方はみな消補兼施の方剤であるが、前の二方は補が消より重い。 本方は消が補より重い。 |