桃核承気湯(とうかくじょうきとう)(桃仁承気湯)
種類 | 活血袪瘀剤 |
出典 | 傷寒論 |
組成 | 桃仁12g、大黄12g、桂枝6g、炙甘草6g、芒硝6g |
方解 | 君-桃仁-破血袪瘀 -大黄-下瘀泄熱 臣-桂枝-通行血脈 -芒硝-瀉熱軟堅 佐、使-炙甘草-益気和中 |
用法 | 煎服 |
効能 | 破血下瘀 |
主治 | 下焦蓄血。 少腹急結、小便自利、譫語煩渇、夜になると発熱、ひどくなると狂躁状態。 |
病機 | 胸中血府血瘀に肝鬱気滞を兼ねている。 |
方意 | 本方の別名は桃仁承気湯である。 調胃承気湯の上に桃仁、桂枝を加えて組成するものである。 『傷寒論』においては、もともと太陽経に邪があり、治らずに経に沿って腑に入って熱に変わる、および下焦血結による蓄血証の少腹急結を治す。 下焦蓄血であるか蓄水ではないため、小便自利が見られる。 熱が血分にあるので譫語煩渇、夜に発熱を現す。 瘀熱がひどくなると心神不寧、狂躁状態を起こす。そのとき、治療は破血下化瘀で、下焦の血分の熱を除く目的である。 方中の桃仁は破血袪瘀で、大黄は下瘀泄熱で、二薬は協力して瘀、熱を同時に除く、共に君薬である。 桂枝は通行血脈で、桃仁を手伝って破血袪瘀する。 芒硝は瀉熱軟堅で、大黄を手伝って下緒泄熱をする共に臣薬である。 炙甘草は益気和中で、諸薬の峻烈性を緩和して袪瘀でありながら正を傷つけない佐使薬である。 五味の薬は協力して一緒に破血下瘀の効果を奏する。 服用後は「微利」(やや下痢を起こす)であるが蓄血を除かせ、瘀熱を消し、諸証を治す。 後人は本方の臨床応用を拡大した。 たとえば、打撲傷、瘀血停留、痛くて体が動けず、二便秘渋の証候、火旺で血が上へ鬱になり、頭痛頭張、目赤歯痛の証候、血熱妄行による鼻衄、あるいは吐血紫黒の証候、および女性の血瘀経閉、あるいは産後悪露不下、少腹堅痛、喘脹欲死等の証にはいずれも良好な効果を得る。 とにかく破血下瘀、引熱下行にほかならない。 もし、表証を治していない場合には先に解表すべきで、その後本方を使用する。 |