草根木皮みな薬
 

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大黄[庶虫]虫丸(だいおうしゃちゅうがん)

種類 活血袪瘀剤
出典 金匱要略
組成 大黄300g、黄芩60g、甘草90g、桃仁60g、杏仁60g、芍薬120g、乾地黄300g、乾漆30g、虻虫60g、水蛭60g、[虫斉]螬60g、[庶虫]虫30g
方解 君-大黄-逐瘀攻下、凉血清熱
-[庶虫]虫-攻下積血
臣-桃仁-活血通絡、攻逐瘀血
-乾漆-活血通絡、攻逐瘀血
-[虫斉]螬-活血通絡、攻逐瘀血
-水蛭-活血通絡、攻逐瘀血
-虻虫-活血通絡、攻逐瘀血
佐-黄芩-清瘀熱
-杏仁-潤燥結、破血降気
-生地黄-潤燥結、破血降気
-芍薬-養血滋陰
甘草−和中補虚、諸薬調和
用法 重さ3gの蜜丸にして毎回1丸服用、あるいは煎服。
効能 袪瘀生新
主治 五労虚極。
形体羸痩、腹満食欲不振、肌膚甲錯、両目黯黒
方意 五労虚極はよく、食べ過ぎ、飢え過ぎ、憂鬱、暴飲、あるいは房事、疲労過度等によるものである。
労傷になると、経絡栄、衛気傷、瘀血内留になり、長くなると「乾血」に変わる、瘀血久鬱であれば熱に変わって陰血を損傷して濡養肌膚ができず、肌膚甲錯を現す。
陰血は目を養うことができなくなると、両目黯黒、無華(艶なし)を現す。
羸弱消痩、腹満食欲不振等の症は正気が回復していないためである。
だから、本方は袪瘀を主とし、扶正の薬を補助とし、瘀去新生をさせると病は治る。
しかし、五労虚極の人には猛烈に攻めてはいけないので、丸剤をし緩消緩散を図るほうがよい。
方中の大黄は逐瘀攻下、凉血清熱で、[庶虫]虫は攻下積血で共に君薬である。
桃仁、乾漆、[虫斉]螬、水蛭、虻虫は君薬を手伝って活血通絡、攻逐瘀血で、共に臣薬である。
黄芩は大黄を手伝って清瘀熱で、杏仁は桃仁を手伝って潤燥結かつ破結降気であり、活血攻下薬を配伍すると、袪瘀血を果たす。
生地黄、芍薬は養血滋陰で共に佐薬である。甘草は和中補虚で、諸薬を調和して諸破血薬の猛烈性を緩和する。
酒服をもって薬勢を助ける。
諸薬は協力して袪瘀結、清瘀熱、滋陰血、潤燥結を果たす。
本方は瘀血乾結の虚労の証を治す専用方である。
方中に破血袪瘀の薬は比較的多いが、補虚扶正は不足である。
だから、乾血は治してから他の方剤で補虚し、その虚労の証を治療すべきである。