補陽還五湯(ほようかんごとう)
種類 | 活血袪瘀剤 |
出典 | 医林改錯 |
組成 | 黄耆120g、当帰6g、赤芍薬6g、地竜3g、川芎3g、紅花3g、桃仁3g |
メモ | 桃紅四物湯−熟地+黄耆・地竜 |
方解 | 君-黄耆-大補脾胃の元気 臣-当帰-活血、袪瘀 佐、使-川芎-活血袪瘀 -赤芍薬-活血袪瘀 -桃仁-活血袪瘀 -紅花-活血袪瘀 -地竜-通絡活絡 |
用法 | 煎服 |
効能 | 補気、活血、通絡 |
主治 | 卒中後遺症。 半身不遂、口眼歪斜、言語障害、口角流涎、下肢痿廃、小便頻数あるいは遺尿不禁、苔白、脈緩。 |
方意 | 正気虚損、脈絡瘀阻、筋脈肌肉の失養であれば半身不遂、言語障害を起こす。 気虚血滞であれば舌の失養で、言語障害を起こす。 気虚であれば固摂不能で、小便頻数、遺尿不禁を起こす。 苔白、脈緩も気虚の証である。 以上まとめて見ると、いずれも正気虚損、瘀血阻絡によるものである。 治療は補気を主とし、兼ねて活血通絡をする。 方中に重用される黄耆は脾胃の元気を大いに補い、気を旺盛にさせ、血行を促進し、袪瘀しながら正を傷つけない、諸薬を助ける君薬である。 当帰は活血し、袪瘀しながら良い血を傷つけない、臣薬である。 川芎、赤芍、桃仁、紅花は当帰を手伝って活血袪瘀し、地竜は通絡活絡で共に佐使薬である。 諸薬は協力して気旺血行、袪瘀通絡させ諸証はだんだん治る。 本方は主に正気虚損による血脈不利の半身不遂を治す。 だから黄耆の量は多く使う、しかし、初めに少量で普通は30〜60gから次第に増量して治っても引き続き服用して復発を防ぐ。 |