大秦艽湯(だいじんぎょうとう)
種類 | 疏散外風剤 |
出典 | 素問病機気宜保命集 |
組成 | 秦艽90g、甘草60g、川芎60g、当帰60g、白芍60g、細辛15g、羗活・防風・黄芩・各30g、石膏60g、白芷30g、白朮30g、生地黄30g、熟地黄30g、茯苓30g、独活60g |
方解 | 君-秦艽-袪風、通行経絡 臣-羗活-辛温、袪風散邪 -独活-辛温、艽風散邪 -防風-辛温、艽風散邪 -白芷-辛温、艽風散邪 -細辛-辛温、艽風散邪 佐-当帰-養血柔筋、活血通絡、行気生血 -芍薬-養血柔筋、活血通絡、行気生血 -熟地黄-養血柔筋 -川芎-活血通絡、行気生血 -白朮-益気健脾 -茯苓-益気健脾 -黄芩-凉血清熱、防風邪化熱 -石膏-凉血清熱、防風邪化熱 -生地黄-凉血清熱、防風邪化熱 使-甘草-諸薬調和 |
用法 | 散剤にして毎回30gを煎服。 あるいは原方の比率に従い、適宜加減して湯剤として服用 |
効能 | 艽風清熱、養血活血 |
主治 | 風邪始中経絡。
口眼歪斜、言語障害、手足運動障害、風邪散見、一つ経絡に限らない。 |
方意 | 本方は主に風邪の初中経絡の証を治す。 中風はよく、正虚になり風邪が虚に乗じて経絡を犯し、気血痺阻、経絡不通、言語障害を起こす。 治療は艽風通絡を主とし、兼ねて血薬、気薬を用いて裏を調整して風邪外解、気血調和をし、手足健運、舌本柔和を図る。 方中の秦艽は君で、艽風、通行経絡をする。 羗活、独活、防風、白芷、細辛はいずれも辛温薬で艽風散邪し、共に臣薬である。 言語障害、手足の運動障害は血虚の養筋不能と関連する。 風薬はほとんど燥である。 だから、当帰、芍薬、熟地黄を配伍して養血柔筋を果たし、艽風しながら津液を傷つけない。 して、川芎、当帰、芍薬を配伍して活血通絡、行気生血を果たす。 白朮、茯苓は益気健脾で、生化の源を助ける。 黄芩、石膏、生地黄については凉血清熱で、風邪化熱を防ぐ。 以上はみな佐薬である。 甘草は使薬で、諸薬を調和する。 諸薬は協力して艽風清熱、養血活血の効を果たす。 |
注意 | 本方は風邪初中経絡を治すが、風薬が比較的多いので辛燥すぎる。 だから、耗傷陰血の恐れがあり、臨床では適宜加減して応用すべきである。 |