牽正散(けんせいさん)
種類 | 疏散外風剤 |
出典 | 楊氏家蔵方 |
組成 | 白附子・白僵蚕・全蝎各等量 |
方解 | 白附子-辛散、袪風化痰 白僵蚕-袪風止痙、化痰 全蝎-袪風止痙、通絡 |
用法 | 粉にして毎回3gを服用。 あるいは原方に従い、適宜加減して煎服。 |
効能 | 艽風化痰止痙 |
主治 | 中風、口眼歪斜 |
方意 | 中風は中経絡と中臓腑の違いがある。 本方の証は風痰が頭面の経絡に阻するものである。 足陽明の脈は口を挟んで唇に沿って循行する。 足太陽の脈は目内から出る。 陽明の脈に痰濁があって太陽の脈の外に風邪があたって風痰が頭面の経絡に阻すると経隧不利、筋肉失養になり、口眼歪斜を起こす。 治療は袪風痰、通経絡、止痙攣をする。 風去痰消、経絡通暢であれば、病症は治る。 方中の白附子は辛散、袪風化痰で、特に頭面の風を治せる。 白僵蚕、全蝎は袪風止痙で、その中の白僵蚕が化痰もでき、全蝎は通絡が得意である。 三薬は協力して力が専一強い。 |
注意 | 方中の白附子は温燥に偏り、寒性の風痰には適応する。 気虚血瘀あるいは肝風内動による口角歪斜、あるいは半身不遂の証候には本方は適応しない。 このほか白附子、全蝎は有毒のものなので用量は慎重に決める。 |