四君子湯(しくんしとう)
種類 | 補気剤 |
出典 | 太平恵民和剤局方 |
組成 | 人参10g、白朮9g、茯苓9g、炙甘草6g |
メモ | 君子はぶーたれ忍術家(君子、茯人朮甘) 脾胃気虚 |
方解 | 君-人参-甘温大補元気、健脾養胃 臣-白朮-苦温健脾燥湿 佐-茯苓-甘淡滲湿健脾 使-炙甘草-甘温調中 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 脾胃気虚。 面色萎白、語声低微、四肢無力、食少あるいは便溏、舌質淡、脈細緩。 |
主治 | 飲食不節、労倦などにより脾気が衰え、運化が不十分になり気血の生化が不足した状態。 脾気が虚して運化が低下するので、食欲がない、消化が悪い、泥状〜水様便、排便の回数が多いなどが主症状になる。 脾運不足で気血の生化が不足するために、疲れやすい、元気がない、声に力がない、脈無力などの全身的な気虚の症候、顔色が萎黄、脈細、舌質淡で嫩などの血虚の症候が見られる。 脾は四肢を主り、脾気が虚すと四肢の無力感が現れる。 脾運が不足して水湿が停滞するので、舌質はやや胖、苔は白を呈する。 |
病機 | 中焦虚寒で営衛気血が不足し、脾虚に乗じて肝気が横逆する状態。 脾胃は後天の本で気血営衛を生化する源であり、中焦虚寒で運化が低下すると気血営衛が不足する。 肝血が不足するために肝気が失調し、肝気が脾虚に乗じて横逆するので、ときにひきつるような腹痛が乗じる。 虚寒の疼痛であるから、温めたり手で押さえると軽減する。 営血不足で心神が安定しないと動悸、焦燥感があらわれ、肺を濡養できないと口や咽の乾燥感が生じる。 脾は四肢を主り、脾気が不足すると四肢がだるく痛み、脾陰が不足すると手足のほてりがみられる。 顔色に艶がない、舌質淡苔白、脈細で緩は気血不足と虚寒を表し、脈弦は肝乗を示す。 |
方意 | 脾胃の気虚証を治す。 飲食、疲労が脾胃を損害して気血の生化源の不足を起こす。 脾虚不運、胃納呆滞になると飲食が減少し、大便が不実になる。 治療は益気健脾をする。 方中は人参を君薬とし、甘温で、大補元気、健脾養胃を果たす。 白朮は臣薬とし、苦温で、健脾燥湿を果たす。 茯苓は佐薬とし、甘痰で、袪湿健脾を果たす。 茯苓、白朮を併用して健脾除湿の効はいっそう強くなり、運化を促進する。 炙甘草は使薬とし、甘温で調中を果たす。 諸薬は協同して共に益気健脾の効を果たす。 本方は脾胃の気を健旺にし、運化が復元し、気血を生じる。 だから、補気の基本方とされる。 構成では補気健脾を主とする多くの方剤が、本方剤から変化発展してきた。 本方の組成を分析すれば、理中丸と比べ、一味の違いしかない。 四君子湯は人参、白朮、茯苓、甘草で、主に益気健脾である。 理中丸は人参、白朮、乾姜、甘草で、主に温中袪寒である。 |