補中益気湯(.ほちゅうえっきとう)
| 種類 | .補気剤 |
| 出典 | 脾胃論 |
| 組成 | 黄耆15～20g、人参10g、白朮10g、炙甘草5g、当帰10g、橘皮6g、升麻3g、柴胡3g |
| メモ | 黄色い人、白く甘くちと詳細に補う(黄人白甘陳当升柴) 脾胃気虚、気虚下陥 |
| 方解 | 君-黄耆-益気 臣-人参-健脾益気 -白朮-健脾益気 -炙甘草-健脾益気 佐-陳皮-理気 -当帰-補血 使-升麻-昇挙下陥清陽 -柴胡-昇挙下陥清陽 甘温益気の黄耆、人参、白朮、炙甘草を主体にして昇陽益気し、陽気内鬱による発熱を除去するところから「甘温除大熱」と称される。 |
| 用法 | 水煎服、丸剤にし1日2～3回10～15gずつ湯で服用してもよい |
| 効能 | 補中益気、昇陽挙陥 |
| 主治 | 1.脾胃気虚。 発熱、自汗、口渇、温飲を好む、少気怠言、体倦肢軟。 顔面(白光)白、大便稀溏、舌質淡、苔薄白、脈洪虚。 2.気虚下陥。 脱肛、子宮下垂、久瀉、久痢、久瘧等、および清陽下陥の諸証。 |
| 病機 | 脾気が虚して気機が宣発できずに下陥し、昇挙と固摂が無力になった状態 |
| 方意 | 脾胃気虚、清陽下陥、および気虚の摂納不力によるものである。 脾は四肢、肌肉を主とする。 脾虚であれば四肢、肌肉が水穀精微を受けず、肢軟体倦、神疲少力を現す。 脾胃虚であれば穀気不盛、陽気が陰中に落ちるが発熱自汗、脈洪だが押すと虚軟を感じ、舌淡苔薄白を現す。 脾胃虚であれば中気も虚になり、摂納不力、昇挙不能を起こす。 だから、脱肛、久瀉、子宮下垂等の症を現す。 本方は黄耆の益気を君とし、人参、白朮、炙甘草の健脾益気を臣として、協力して補中益気の効を果たす。 陳皮は理気で、当帰は補血でみな佐薬である。 升麻、柴胡は下陥の清陽を挙げて補気方中の使薬である。 全方の配伍の意義は、 1.補気健脾で気虚の本を治す。 2.下陥の陽気を挙げて濁降清昇を求めると脾胃和調、水穀精気の生化の源が回復し、脾胃気虚の諸証は治る。このように中気充実、昇挙有力になり、下脱、下垂の諸証は自然に本位に戻る。 |