烏梅丸(うばいがん)
種類 | 駆虫剤 |
出典 | 傷寒論 |
組成 | 烏梅480g、細辛180g、乾姜300g、黄連480g、当帰120g、炮附子180g、炒山椒120g、桂枝180g、人参180g、黄柏180g |
方解 | 烏梅-酸、制蛔 山椒-辛、駆蛔、温臓袪寒 細辛-辛、駆蛔、温臓袪寒 黄連-苦寒、駆蛔、清熱 黄柏-苦寒、駆蛔、清熱 乾姜-温臓袪寒 桂枝-温臓袪寒 附子-温臓袪寒 人参-補養気血、益気温中 当帰-補養気血、益気温中 |
用法 | 蜜丸にして1日3回、毎回9g服用。 あるいは原方の比率に従い適宜加減して湯剤として服用 |
効能 | 温臓安蛔 |
主治 | 蛔厥証。 心煩嘔吐、時作時止、食べると蛔虫を吐き出す、手足厥冷、腹痛。 また、久痢久瀉。 |
方意 | 本方は胃熱腸寒の蛔厥証を治す。 蛔虫が腸に寄生し、胃熱腸寒により、上熱下寒様で擾動不安を起こす。 だから、煩悶、嘔吐、あるいは食べたら蛔虫を吐き出す等を現す。 腹痛と煩嘔のときに発作するのは蛔虫の動きによるものである。 腹痛がひどくなると、陰陽の気の連接が良くないため、手足厥冷を起こす。 本方は温臓安蛔で寒熱併用をする。 方中の烏梅は味酸で、制蛔ができる。 山椒、細辛は味が辛で、駆蛔ができ、性が温で、温臓?寒ができる。 黄連、黄柏は味苦性寒で、駆虫ができ熱を清する。 乾姜、桂枝、附子は共に温臓袪寒をする。 人参、当帰は補養気血をし、温中薬と配伍したら、益気温中で、温補下焦虚寒、養血通脈、調和陰陽を果たし、四肢厥冷を治す。 諸薬は協力して温臓安蛔、寒熱併治、邪正兼顧の効を果たす。 本方はまた、寒熱互結、正気虚弱の久痢久瀉を治す。 しかし、暴瀉と湿熱下痢には適応しない。 現代ではよく胆道の回虫病によい効果が得られる。 |