四物湯(しもつとう)
種類 | 補血剤 |
出典 | 太平恵民和剤局方 |
組成 | 熟地黄12g、当帰10g、芍薬12g、川芎8g |
メモ | 四匹の熟知蛙芍薬の川を渡る(四物、熟地帰芍薬川) 補血調血 |
方解 | 君-熟地黄-補血 臣-当帰-補血喀血 佐-白芍-斂陰養血 -川芎-入血分理血中之気 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 補血調血 |
主治 | 衝任虚損。生理不順、臍腹疼痛、崩中漏下。血瘕塊硬、時に痛み。 妊娠胎動、出血不止、産後の悪露が落ちない、少腹堅痛、ときに寒熱。 |
病機 | 出血などにより肝血が不足し、営血虚滞を引き起こした状態 |
方意 | 補血調経の主方である。 これは『金匱要略・婦人妊娠篇』の芎帰膠艾湯から阿膠、艾葉、甘草をとって、できたものである。 諸種の血虚証に対して本方を基礎とし、証に合わせて方剤を組成して治療する。 衝は血海であり、任は胞体を主とする。 もし、衝脈が虚損であれば生理量が減り、色が淡い、生理が遅れる。 さらに下焦寒滞であれば、少腹が痛くなる。 もし、脾虚で摂血ができず、腎虚で衝任不固であれば、漏中漏下等の症を相次ぎ起こす、また肝寒血滞、血行不調、瘕塊硬結、少腹痛等をも起こす。 本方は当帰で補血、活血を、熟地黄で補血を主とする。 川芎は血分に入り、血中の気を調節する。 芍薬は斂陰養血である。 だから、全方はすべて血分薬である。 組成が合理的であり、補血でありながら、滞血しない。 行血でありながら破血しない。 補の中に散があり、散の中に収があり、治血の要剤である。 もし、血寒、生理期の腰腹痛の場合は適宜、炮姜、桂枝、呉茱萸、枳殻、香附子、桑寄生、川続断を加えて「川帰膠艾湯」に変える。 もし、血瘀不行の場合は丹参、桃仁、紅花を加えて逐瘀行血を果たす。 もし、血虚、鬱熱の場合は黄芩、牡丹皮を加える。 もし、気虚で摂血不能の場合は党参、黄耆、白朮を加える。 本方を適宜加減して諸種の血証を治す。 |