当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)
種類 | 温中散寒剤 |
出典 | 傷寒論 |
組成 | 当帰9g、桂枝9g、白芍9g、細辛3g、炙甘草6g、通草3g、大棗5g |
方解 | 君-桂枝-解肌発表、外感風寒を除く 臣-芍薬-益陰斂営 佐-大棗-甘平、益気補中、滋脾生津 佐使-炙甘草-益気和中 -当帰-苦辛甘温、補血和血 -桂枝-辛甘温、温経散寒 -細辛-経脈を通じる、陰血を充実 -通草-経脈を通じる、陰血を充実 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 温経散寒、養血通脈 |
主治 | 1.陽気不足、血虚の上に外感寒邪。手足決寒、舌淡苔白、脈細欲絶あるいは沈細。 2.寒入経絡、腰、股、腿、足の痛み。 |
病機 | 血虚に乗じて肝邪が侵入し、肝凝による血脈不利をきたした状態 |
方意 | 四肢は、諸陽の本であり、陽気不足になると四肢はその陽養を失う。 だから、手足厥寒を現す。 しかし、他の陽微陰盛の証は見えず、脈細欲絶がみえる。 これは血虚の上に経脈が寒に犯され、血脈不利のためである。 そして、手足厥寒は指から腕、踝が冷たいが、四肢厥逆と違う、成無己のいうとおり「手足厥寒者は陽気外虚で、四肢末を温めない。 脈細欲絶者は陰血内弱、脈行不利である」。 だから、温経散寒、養血通脈を治法とする。 本方の組成は、桂枝湯から生姜をとり、大棗の量を倍増し、さらに当帰、細辛、通草を加え温経散寒で、細辛と合わせて内外の寒を除く。 甘草、大棗の甘は益気健脾で、当帰、芍薬を手伝って血を補すると同時に桂枝、細辛を手伝って通陽を果たす。 さらに通草で経脈を通じて、陰血を充実させ、客寒を除き、陽気を挙げ、経脈を通じて、手足を温め、脈も回復させる。 『傷寒論』の方は四逆で命名のものは、四逆湯、四逆散、当帰四逆湯である。 三方の主治と用薬は違う。 周楊俊のいうとおり、『四逆湯はすべて回陽を主る。 四逆散はすべて和解表裏を主る。 当帰四逆湯はすべて養血通脈を主る」。 だから、本方は経脈受寒、血渋不通による腰股、足の痛みを治す。 |