玉屏風散(ぎょくへいふうさん)
種類 | 固表止汗剤 |
出典 | 丹渓心法 |
組成 | 黄耆30g、白朮60g、防風30g |
方解 | 君-黄耆-益気固表 臣-白朮-健脾益気 佐使-防風-走表袪風 |
用法 | 散剤にして1日2回、毎回6〜9g、あるいは原方の比率に従い適宜加減して煎剤として服用 |
効能 | 益気固表止汗 |
主治 | 表虚自汗、風邪引きやすい |
方意 | 衛気虚弱で固表はできず、腠理の隙間が現れると、営陰不守、津液外泄により表虚自汗、悪風、脈虚等の証がみられる。 表虚気弱、皮毛疏松のため風邪を引きやすくなる。 治療は当然益気固表止汗を主とする。 方中の黄耆は益気固表で君薬である。 白朮は健脾益気で、黄耆を手伝って益気固表の効を増強する臣薬である。 二薬は協力して気旺盛表実させ、汗は外泄せず、邪も侵入しにくい。 さらに走表袪風の防風で風邪を防御する効を果たす佐使薬である。 黄耆は防風の助けを得て、固表でありながら邪を引き止めず、防風は黄耆の助けを得て、袪邪しながら正を傷つけない。 これは補の中に散があり、散の中に補があるという意味である。 益気固表、袪邪、止汗を果たし、表虚自汗、あるいは表虚で風邪を引きやすい症候を治す。 本方と桂枝湯は共に表虚自汗を治すが本方は固表止汗の専用方であり、主に衛虚不固の自汗を治す。 桂枝湯は調和営衛で主に営衛不和の自汗を治し、かつ解表で外感風寒の表虚証を治す。 |