金鎖固精丸(きんさこせいがん)
種類 | 渋精止遺剤 |
出典 | 医方集解 |
組成 | 炒沙苑蒺藜60g、蒸芡実60g、蓮須60g、炙竜骨30g、V牡蠣30g |
方解 | 君-沙苑蒺藜-補腎渋精 臣-蓮肉-補腎渋精 -芡実-補腎渋精 佐、使-蓮須-渋収斂、渋精 -竜骨-渋収斂、渋精 -牡蠣-渋収斂、渋精 |
用法 | 丸剤にして1日1〜2回、毎回9g服用。 |
効能 | 補腎渋精。 |
主治 | 腎虚精虧。 遺精活血、神疲乏力、四肢酸軟、腰酸耳鳴。 |
方意 | 遺精は腎の陰精虧損、精関不固による症候、心、肝の火の内動による症候、湿熱下注、精室を犯すことによる症候等があるが、主に腎と関連する。 本方は腎虚精関不固の症候を治す。 腎精虧損、封蔵失職であれば、すなわち精液が自泄する。 陰精内虧、陰傷および陽で下元虚虧を起こす。 だから、神疲乏力、四肢酸軟を現す。 腰は腎の府であり、腎が耳に竅を開く。腎精不足であれば腰酸耳鳴を現す。 治療は補腎渋精をすべきである。 方中の沙苑蒺藜は補腎渋精で君薬である。 蓮肉、芡 実は君薬を手伝って補腎渋精を果たす臣薬である。 君臣薬は互に協同して主に不足を補する。 蓮須、竜骨、牡蠣は精渋収斂で、特に渋精を果たす共に佐使薬である。 諸薬は協力して精液外泄を防ぎ、かつ腎精の不足を補することができる。 しかし、本方は固渋を主とするが、遺精滑泄を止めたらすぐ補腎の薬を使用すべきであり、これは補虚固腎で本を治すためである。 |
注意 | 本方は収斂薬が多いが固渋に偏る。 もし、心、肝火旺、あるいは下焦湿熱による遺精の者には本方を使用してはいけない。 |