磁朱丸(神曲丸)(じしゅがん)
種類 | 重鎮安神 |
出典 | 備急千金要方 |
組成 | 磁石60g、朱砂30g、神曲120g |
方解 | 磁石-入腎、液陰潜陽、重鎮安神 朱砂-入心、安神定志 神曲-健脾助運、防石薬の弊 蜂蜜-和胃、脾胃散精促進 |
用法 | 蜜丸にする。 |
効能 | 水火不済。 心悸失眠、耳鳴耳遠い、視物昏花。癲癇。 |
主治 | 本方は水不済火、心陽偏亢による心腎不交の心悸、失眠等の症を治す。 腎が精を蔵し、髄を生じる。 『霊枢・海論』は、「髄海不足であば、脳転耳鳴を起こす」と指摘している。 本証の耳鳴、耳遠いは腎精不足によるものである。 同じく腎精不足になると、上へ目を滋養できず、視物昏花を起こす。 |
方意 | 本方は水不済火、心陽偏向による心腎不交の心悸、失眠等の症を治す。 腎が精を蔵し、髄を生じる。 『霊枢・海論』は「髄海不足であれば、脳転耳鳴を起こす」と指摘している。 本証の耳鳴、耳遠いは腎精不足によるものである。 同じ、腎精不足になると上へ目を滋養できず、視物昏花を起こす。 磁石は腎に入り、益陰潜陽、重鎮安神する。 朱砂は心に入り、安心定志する。 二薬は配伍して滋腎潜陽、水火相済、交通心腎を果たし、寝つきがよくなる。 腎精も充実する。 そして、安神定志もでき、心安神蔵になる。 神曲は健脾助運で石薬の弊害を防ぐ。 さらに蜂蜜は和胃し、脾胃散精を促進し、腎精が充実させる。 本方は重鎮潜陽で、内動の肝風を抑えられるので癲癇も治す。 癲癇は普通、癲と癇の区別があるが、本方は肝風内動の癇に比較的適応する。 もし、発作期には化痰剤と併用すべきである。 |