朱砂(しゅしゃ)
- 分類
- 重鎮安神薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 朱砂、硃砂、丹砂、辰砂、飛硃砂、片砂、劈砂、朱宝砂、鏡面砂
- 基原
- 水銀鉱物の天然辰砂鉱石 Cinnabar (主成分は硫化水銀HgS)。合成品を霊砂という。
- 性味
- 甘、寒
- 帰経
- 心
- 効能
- 鎮心安神、清熱解毒
1.心火偏盛による心神不安、煩熱、心悸不眠などに用いる。
清心安神の効能を強めるために、よく清心瀉火の黄連、甘草などを配合する。
心血虚を兼ねる者に、補血養心の当帰、生地黄を配伍して、朱砂安神丸となり、清心養血安神の作用が強まる。
驚恐あるいは心虚による心悸亢進の者に、豚の心臓を切り開いて朱砂を加え、蒸してから食べさせる。
血虚、心悸、不眠の者に、当帰、柏子仁、酸棗仁など養血安神の薬物を配伍して使用する。
癲癇の者には、磁石、神曲などを配伍する。例:磁朱丸。
2.瘡瘍腫毒などに用いる。
朱砂には清熱解毒の作用があり、主に雄黄と配伍して使用する。例:紫金錠。
咽喉腫痛、口舌の腫瘍に対して、氷片、硼砂などを配伍して外用する。
また朱砂に他の薬物(たとえば茯苓など)を入れてかき混ぜると、安神の作用が強まる。 - 注意
- 多量に服用、長期間持続して服用すると、水銀中毒の恐れがある。
また肝臓と腎臓機能が正常ではない者には慎重に使う。
そうしなければ、病状がひどくなる恐れがある。 - 参考
- Cinnabar の画像