磁石(じせき)

分類: 重鎮安神薬
出典: 神農本草経
処方用名: 磁石、霊磁石、活磁石、煅磁石
基原: 天然磁鉄鉱 Magnetite (主成分は四酸化三鉄Fe2O4)
性味: 辛、鹹/寒
帰経: －
効能: 潜陽安神、聡耳明目、納気平喘
1.陰虚陽亢によるイライラして心神不安、心悸、不眠、頭痛、めまいおよび癲癇などに用いる。
磁石に朱砂を配伍して磁朱丸となり、平肝潜陽、鎮静安神の作用がある。
また石決明、白芍、乾地黄などを配伍してよく使用される。
2.肝腎陰虚による耳鳴、難聴、視力減退などに用いる。
磁石には養心滋陰、聡耳明目の作用があるので、熟地黄、山茱萸、五味子などを配伍して、耳鳴、難聴の治療に用いる。
磁朱丸に補肝養心の薬物を配伍して視力減退の治療に用いる。
最近の臨床報告によると、白内障の一部の症例では、磁朱丸の服用後に視力の改善が見られたそうである。
3.腎虚による喘息に用いる。
磁石に納気平喘の作用があるので、代赭石、五味子、胡桃肉などを配伍して、腎虚による喘息、呼吸困難の治療に用いる。
注意: 消化されにくいので、丸剤、散剤には多く入れない。脾胃虚弱の者には慎重に使用する。
参考: Magnetite の画像

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