山茱萸(さんしゅゆ)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 山茱萸、山茱肉、茱肉、浄萸肉、棗皮、サンシュユ
- 基原
- ミズキ科 Cornaceae のサンシュユ Cornus officinalis SIEB. et ZUCC. の成熟した果肉
- 性味
- 酸/微温
- 帰経
- 肝、腎
- 効能
- 補益肝腎、収斂固渋
1.肝腎虚虧による眩暈、腰や膝がだるく無力、インポテンツなどに用いる。
山茱萸は補益肝腎の作用があり、精を補うこともできれば、陽を助けることもできる。
たとえば熟地黄、山薬、沢瀉などを配伍した六味地黄丸は、肝腎陰虚の基本の方剤としている。
腎陽不足によるインポテンツ、滑精などには、補骨脂、当帰、麝香を配伍する。例:草還丹。
2.遺精、滑精、尿失禁、自汗などに用いる。
たとえば桑螵蛸、覆盆子、益智仁、沙苑子などを配伍し、尿失禁に使用する。
人参、附子、竜骨、牡蠣などを配伍し、大汗がしたたる虚脱証によい効果がある。
このほか、収斂止血の作用がある。
たとえば烏賊骨、茜草炭、棕皮炭などを配伍する固衛湯は、不正性器出血、月経過多に使用する。 - 注意
- 山茱萸湯は収斂であるので、腎陽が盛んになったとき、湿熱証および尿が出にくいものには服用しない方がよい。
- コメント
- 3月頃、黄色い小さな花が咲くので春黄金花(ハルコガネバナ)の別名があり、江戸時代に薬用植物として渡来したそうです。
ヨネヤマガーデンで苗木を発見し、実家に植えてもらえないかと母に薦めていたところ(大実山茱萸、糖度16度というのがあったのです)、スタッフの話を聞いた母は購入するのをやめてしまいました。
どのくらいの高さになるのですか、という問いに対して、あそこの屋根の向こうに黄色いのが見えてますよね、 と言われて見た先には、株立ちした大木が黄色い花をいっぱいつけている姿があったからです。 - 参考
- Cornus officinalis の画像