威霊仙(いれいせん)
- 分類
- 袪風湿薬
- 出典
- 新修本草
- 処方用名
- 威霊仙、鉄霊仙、イレイセン
- 基原
- キンポウゲ科 Ranunculaceae ノシナボタンヅル Clematis chinensis OSBECK、その他同属植物の地下部。
古来の正品はカザグルマ C. patens MORR. et DECNE. またはテッセン C.florida THUNB. である。
異物同名品にユリ科のサルトリイバラ属植物 Smilax spp. の地下部に由来するものなどがあるが、使用すべきでない。 - 性味
- 辛、鹹/温
- 帰経
- 膀胱
- 効能
- 袪風除湿、通絡止痛、消痰逐飲
1.風湿による痺痛に用いる。
威霊仙は、経絡を通じ、風湿を除去する効果も良いし、疼痛を止める作用も強い。
四肢の関節痛、関節の運動障害、手足の痺れなどの症状を伴う痺痛に適用している。
古法には単味で丸散剤とするものがある。
煎剤は、症状によって他の薬物を配合することができる。
たとえば風湿腰痛を治療する神応丸は、桂心と当帰を配合する。
2.魚などの骨が咽喉部や食道上部に刺さったときに用いる。
一般に単味で煎剤して、ゆっくり飲み下す。
また酢と砂糖で水煎して、服用することもできる。
このほか、痰水を除去する作用があるので、噎隔、痞咳にも用いられる。 - 注意
- 作用が強いので、長期間服用すると正気を損傷しやすい。
虚弱体質には慎重に用いる。 - 参考
- Clematis chinensis の画像