烏賊骨(うぞくこつ)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 烏賊骨、海螵蛸
- 基原
- コウイカ科 Sepiidae のコウイカ Sepia esculenta HOYLE、シリヤケイカ Sepiella maindroni de ROCHEBRUNE などの甲骨
- 性味
- 鹹、渋/微温
- 帰経
- 肝、腎
- 効能
- 収斂止血、固精止帯、制酸止痛、収温斂瘡
1.不正性器出血、肺や胃の出血、外傷出血に用いる。
不正性器出血には、茜草、棕炭、五倍子などを配伍する。例:固衛湯。
肺や胃の出血には、白芨とともに等分量で粉末にし服用する。例:烏芨散。
2.遺精、白色帯下に用いる。
遺精には、山茱萸、莵絲子、沙苑子など、益腎固精薬を配伍すべきである。
女性の赤白帯下には、白芨、血余炭を配伍する。例:白芨 散。
3.胃痛、呑酸に用いる。多くは貝母とともに用いる。例:烏貝散。
4.湿瘡、失神、多量の膿を伴う潰瘍に用いる。
湿瘡湿には黄柏、青黛などを配伍し、粉末にして塗布する。
潰瘍には、単味で、あるいはV石膏、V竜骨、枯礬、白芨、紅昇、氷片などを配伍し細末にして患部に塗布する。 - 注意
- 薬性は微温で、陰液を損傷し、火熱を助ける恐れがあるので、陰虚火旺証には禁忌。
- 参考
- Sepia esculenta の画像
Sepiella maindroni の画像