石榴皮(せきりゅうひ)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 名医別録
- 処方用名
- 石榴皮、ザクロヒ
- 基原
- ザクロ科 Punicaceae のザクロ Punica granatum L. の成熟した果皮
- 性味
- 酸、渋/温
- 帰経
- 胃、大腸
- 効能
- 渋腸止瀉、殺虫
1.慢性下痢、慢性赤痢、脱肛に用いる。
単味で煎服あるいは粉末にして服用する。
他の薬物を配伍してもよい。
たとえば「滇南本草」には石榴皮を砂糖とともに炒って服用し、慢性の水様便に使用するとある。
慢性赤痢には、黄連、黄柏、当帰などを配伍する。例:黄連湯。
また「医鈔類編」には、石榴皮を古い壁の泥、白礬といっしょに水煎して外洗し、さらに五倍子の粉剤を塗布して、脱肛を治療するとある。
2.蛔虫による腹痛に用いる。
檳榔を配伍して、煎服あるいは散剤にして使用する。
このほか、滑精、不正性器出血、白色帯下に用いる。
収斂止血の作用がある。
外用は乾癬に用いられる。
単味の炭で粉末にして油をまぜ患部に塗る。 - 注意
- 下痢の初期には禁忌。
- 参考
- Punica granatum の画像