檳榔子(びんろうじ)
- 分類
- 行気薬
- 出典
- 名医別録
- 処方用名
- 檳榔、檳榔子、花檳榔、檳榔片、大腹子、海南子、鶏心檳榔、ビンロウジ
- 基原
- ヤシ科 Palmae のビンロウジュ Areca catechu L. の成熟種子
- 性味
- 苦、辛/温
- 帰経
- 胃、大腸
- 効能
- 殺虫、消積、行気、利水
1.多種の腸管内の寄生虫に使用する。
たとえば、条虫、肥大吸虫、鉤虫、蛔虫、蟯虫を駆除することができる。
さらに瀉下の作用があり、虫体の駆除を助けることができる。
条虫に対する治効がわりと良い。
豚肉条虫を駆除するのに、特に有効である。
南瓜子を配伍して使用すると、牛肉条虫を殺す力を強めることができる。
2.食積気滞による腹部膨満感、便秘および下痢、裏急後重などの証候に用いる。
よく木香、青皮、大黄などを配伍する。例:木香檳榔丸。
3.水腫、脚気腫痛などの証候に使用する。
水腫実証には、よく商陸、茯苓皮、沢瀉なとを配伍する。
たとえば疏鑿飲子を使用する。
寒湿に属する脚気腫痛には、よく木瓜、呉茱萸、陳皮、紫蘇などを配伍する。例:鶏鳴散。
このほか、マラリアにも用いられ、たとえばよく使われる截瘧七宝散の中には檳榔が入っている。 - 参考
- Areca catechu の画像