覆盆子(ふくぼんし)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 名医別録
- 処方用名
- 覆盆子
- 基原
- バラ科 Rosaceae のゴショイチゴ Rubus chingii Hu の完熟直前の集合果。
韓国産はクマイチゴ R. crataegifolius BUNGE に由来する - 性味
- 甘、酸/微温
- 帰経
- 肝、腎
- 効能
- 益腎、固精、縮尿
腎虚で、固摂できないことによる遺精、滑精、遺尿、頻尿などの病証に用いる。
たとえば「千金方」では沙苑子、山茱萸、芡実などを配伍し、遺精、滑精に使用するとある。
遺尿、頻尿には、よく桑螵蛸、益智仁、金桜子などを配伍する。
このほか、助陽、明目の効能がある。
腎虚によるインポテンツと肝腎不足による視力減退にも用いられる。
たとえば五子[彳氵亍]宗丸は、枸杞子、 莵絲子、五味子、車前子を配伍し、腎虚によるインポテンツ、滑精および男性の不妊を治療する。
視力減退には、熟地黄、枸杞子、女貞子など補益肝腎、明目薬を配伍する。 - 注意
- 腎虚内熱証、排尿困難には投与しない方がよい。
- 参考
- Rubus chingii の画像
Rubus crataegifolius の画像