枸杞子(くこし)
枸杞子
枸杞
- 分類
- 滋陰薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 枸杞子、甘枸子、枸杞、甘枸杞、クコシ
- 基原
- ナス科 Solanacedae のクコ Lycium chinense MILL. やナガバクコ L. barbarum L. の成熟果実
- 性味
- 甘/平
- 帰経
- 肝、腎、肺
- 効能
- 滋補肝腎、明目、潤肺
1.肝腎陰虚による眩暈、視力減退、腰膝酸軟、遺精、消渇などの病症に用いる。
枸杞子は滋補肝腎、明目の良い薬物であって、肝腎陰虚による諸症状に用いられる。
たとえば菊花、地黄などを配合する杞菊地黄丸は、肝腎陰虚による眩暈、視力減退の常用方剤としている。
『古今録験方』には、地黄、天門冬を配合して、肝腎陰虚による腰や膝がだるく無力、遺精に使用することが述べられている。
また民間の経験方として、蒸して熟した枸杞子を1回10g、日に2〜3回服用し、消渇を治療する。
2.陰虚による慢性咳嗽に用いる。
麦門冬、知母、貝母などの養陰清肺化痰薬を配合して使用する。 - 注意
- 滋潤性があるので、脾虚による泥状便には用いない方がよい。
- コメント
- 枸杞は、薬膳の代名詞のように薬膳料理にはたびたび登場します。
そのまま食べてもよし、戻すのも簡単でスープ、お粥、煮物、炒めもの、どんな料理にも違和感なく溶け込みます。
彩りが赤くてきれいなので、料理の仕上げにぱらっと使われたりしていると、先生方は「何でも枸杞を使えば薬膳というのは間違いです」とおっしゃいます。
確かに弁証して施膳するというコンセプトが大事なのは承知していますが、手軽に使えておいしい枸杞は初心者の味方。
パウンドケーキの中に、胡桃、レーズンの他に、龍眼肉、枸杞子、小茴香をラム酒に浸けたものを入れて焼いてみました。
この場合の効能は、補陰、補血、明目、散寒になるのでしょうか?
味は、茴香の香りが食欲を刺激して結構おいしくいただけました。 - 参考
- Lycium chinense の画像