蓮子(れんし)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 蓮子、蓮子肉、建蓮肉、湘蓮肉、レンニク
- 基原
- スイレン科 Nymphaeaceae のハス Nelumbo nucifera GAERTN. の種子。
蓮肉とも称する。
また堅い果皮を付けたものを石蓮子と称する。
別に苦石蓮があり、マメ科のジャケツイバラの仲間 Caesalpinia minax HCE. に由来し、代用しえない。 - 性味
- 甘、渋/平
- 帰経
- 脾、腎、心
- 効能
- 補脾止瀉、益精固腎、養心安神
1.脾虚による慢性下痢、食欲不振に用いる。
多くは人参、白朮、茯苓、山薬などを配合する。例:参苓白朮散。
2.腎虚による遺精、滑精に用いる。
たとえば遺精、滑精を治療する金鎖固精丸は、蓮子に沙苑子、竜骨、牡蠣、蓮鬚などを配合したものである。
3.心腎不交による煩躁、動悸、不眠に用いる。
麦門冬、茯神、柏子仁などの清心安神薬を配合する。
このほか、不正性器出血、帯下過多などの病症に用いられる。
その益腎、固渋の作用を利用する。 - 注意
- 便秘の者は服用しない方がよい。
- コメント
- 蓮子は固いので、水で戻すと一晩くらいかかります。
熱湯の入ったポットに入れるか、熱の冷めにくい鍋で沸騰させて、火を止めて蓋をし、しばらく置かないと、柔らかいほこほこした栗や百合根のような感触にはなりません。
このほこほこが食べたくて、スープや炊き込みご飯、肉味噌に入れたりしています。
中心の割れ目には蓮子芯(芽の部分)があり(すでにとれてしまっているものもあります)、苦みがあるので取り除いて料理する方もいるようですが、蓮子芯茶にもするほど(清心瀉火、安神)の部位なので、苦みの気にならない私はそのまま料理してしまいます。 - 参考
- Nelumbo nucifera の画像
Caesalpinia minax の画像