代赭石(たいしゃせき)
- 分類
- 平肝熄風薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 代赭石、丁頭赭石、生赭石、煅赭石
- 基原
- 天然の赤鉄鉱 Haematite (主成分は酸化第二鉄Fe2O3)
- 性味
- 苦/寒
- 帰経
- 肝、心
- 効能
- 平肝潜陽、降逆止血
1.肝陽上亢による頭痛、眩暈などに用いる。
代赭石は性味が苦寒で、質が重であるので、肝陽を降ろし、肝火を除く効能がある。
肝陽上亢の証には、竜骨、牡蠣、白芍などを配伍する。例:鎮肝熄風湯。
2.げっぷ、呃逆、嘔吐、およ喘息などに用いる。
代赭石には降逆の効能があり、げっぷ、呃逆、嘔吐を治療するときには、旋覆花、半夏、生姜などを配伍する。例:旋覆代赭湯。
肺腎両虚による気逆喘息を治療するときには、党参、山茱萸など補肺納気の薬物を配伍する。例:参赭鎮気湯。
3.吐血、出血、崩漏などに用いる。
代赭石には凉血止血の効能があり、血熱による吐血、出血を治療するときには、白芍、竹筎、牛蒡子などを配伍する。例:寒降湯。
慢性の崩漏によるめまい、眼花(目がまぶしい)に対しては、禹余粮、赤石脂、五霊脂などを配伍し、固渋および袪痰生新の効果を強める。例:震霊丹。 - 注意
- 妊婦には慎重に使うべきである。
- 参考
- Haematite の画像