赤石脂(せきしゃくし)
- 分類
- 収渋薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 赤石脂
- 基原
- 酸化第二鉄Fe2O3を多量に含む雲母源の粘土塊。カオリナイトAl2O3・2SiO2・4H2Oを主成分とする
- 性味
- 甘、酸、渋/温
- 帰経
- 大腸、胃
- 効能
- 渋腸止瀉、止血、外用には収渋生肌、斂瘡
1.下焦不固による慢性下痢、血便、脱肛に用いる。
赤石脂は甘温酸渋で、質が重く、下焦滑脱証の常用薬である。
たとえば禹余粮を配伍しした赤石脂禹余粮湯は、大便失禁を伴う慢性下痢に使用する。
膿血便を伴う虚寒性の慢性赤痢には、乾姜、粳米を配合し、桃花湯を用いる。
2.不正性器出血、白色帯下に用いる。
なかなか治らない不正性器出血には、側柏葉、烏賊骨を配伍し、いっしょにVして粉末にして服用する。例:赤石脂散。慢性の白色帯下には、白芍、乾姜を配伍する。
3.慢性潰瘍に用いる。
赤石脂は、滲出性を減少し、組織再生を促進する効能がある。
たとえば八宝丹は、すなわち赤石脂に竜骨、炉甘石、血竭、乳香などを配伍し、細末にして幹部に塗り、慢性潰瘍に使用する。
このほか、滲出性の湿瘡、外傷による出血などにも用いられる。 - 注意
- 湿熱積滞証には禁忌。妊婦には慎重に用いる。