羚羊角(れいようかく)
- 分類
- 平肝熄風薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 羚羊角、羚羊片、羚羊粉
- 基原
- ウシ科 Bovidae のサイガカモシカ Saiga tatarica L. の角
- 性味
- 鹹/寒
- 帰経
- 肝、心
- 効能
- 平肝熄風、清肝明目、清熱解毒
1.驚風、癲癇による手足の痙攣に用いる。
羚羊角は熄風解痙の効果が良いので、肝風内動、痙攣に対する主薬である。
また清熱の作用も兼ねるので、高熱、熱極生風などに対して、釣藤、菊花、乾地黄などを配伍する。例:羚角釣藤湯。
2.肝陽上亢による眩暈めまいに用いる。
羚羊角には顕著な平肝潜陽の作用があり、菊花、石決明などを配伍してよく使用する。
3.肝火熾盛による 目の充血、頭痛などに用いる。
羚羊角は清肝明目の作用があり、決明子、黄芩、竜胆草などを配伍して使用される。
4.温熱病による高熱、意識傷害、うわごと、狂躁などに用いる。
羚羊角には、清熱解毒の効能があるので、よく石膏、犀角などを配伍して、丸散として使用する。例:紫雪丹。
王孟英が白虎湯に羚羊角と犀角を入れて、温熱病の高熱、うわごとの治療に用いて効果が著しかった。
また羚羊角に黄芩、銀花を配伍して、痘疹の余毒を取り除くことができる。