酸棗仁(さんそうにん)
- 分類
- 養心安神薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 酸棗仁、棗仁、生棗仁、炒棗仁、サンソウニン
- 基原
- クロウメモドキ科 Rhammaceae のサネブトナツメ Zizyphs jujuba MILL. .の成熟種子
- 性味
- 甘/平
- 帰経
- 心、肝
- 効能
- 養心安神、斂汗
1.不眠、動悸に用いる。
酸棗仁は養心陰、補肝血によって、安神寧心する滋養性安神薬で、当帰、白芍、何首鳥、龍眼肉などを配合して、心肝血虚による不眠、動悸などの証に主に使用する。
肝虚有熱の煩躁、不眠に、知母、茯苓などを配合する。例:酸棗仁湯。
心腎不足、陰虚陽亢による煩躁、不眠、心悸、健忘、口渇咽乾、舌紅苔少の者に、生地黄、玄参、柏子仁など養心滋腎の薬物を配合する。例:天王補心丹。
2.虚弱者の自汗、盗汗などの証に用いる。
酸棗仁には汗を収斂する作用があって、党参、五味子、山茱萸などを配合して使用する。 - コメント
- 煎じるときには、丸のままではなく少しつぶした方がいかもしれません。
ほとんど味のしない煎じ汁なので、かえって料理には使いやすいといえますが、同じ棗の字がつく大棗のように八面六臂の活躍をする中薬とは、いささか異なります。 - 参考
- Zizyphus jujuba の画像