大棗(たいそう)
- 分類
- 補気薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 大棗、紅棗、大紅棗、タイソウ
- 基原
- クロウメモドキ科 Rhammaceae のナツメ Zizyphus jujuba MILL. var. inermis REHD. またはその品種の果実
- 性味
- 甘/温
- 帰経
- 脾、胃
- 効能
- 補中益気、養血安神、緩和薬物
1.中気不足、脾胃虚弱、倦怠無力、食欲不振、泥状便に適する。
大棗には補中益気の効果があり、党参、白朮、茯苓などを配合して、効果が強められる。
2.血虚萎黄、婦人の臓躁(更年期症候群に相当する)に適する。
大棗には補中益気の効果があり、党参、白朮、茯苓などを配合して、血虚による萎黄症に効果がある。
甘草、小麦を配合して、婦人の血虚による臓煩躁、精神不安定に用いる。例:甘麦大棗湯。
また、よく作用が激烈な薬物に配合して、薬性を緩和する。
たとえば、葶藶子に大棗を配合して葶藶大棗瀉肺湯となる。
これは瀉肺平喘利尿の作用が強いが、肺気を傷めない。
大戟、芫花、甘遂に配合して、十棗湯となり、瀉水袪痰でき、脾胃を傷めない。
本品はよく生姜と配合され使用される。
たとえば、解表薬に大棗と生姜を配合すると、生姜は衛気を扶助して発汗の作用を強めて、大棗は営血を補養し、発汗しすぎて営気を傷害することを防ぐ。
補益薬に大棗と生姜を配合すると、生姜は和胃調中の作用をはたし、大棗は補脾益気の作用をはたすので、食欲が増し、補養薬がよく吸収されて、薬物の効果が上がる。 - 注意
- 大棗は、助湿生熱、人を中満させるので、湿盛、脘腹脹満、食積、虫積、虫歯による止痛、痰熱咳嗽の者には禁忌とする。
- コメント
- 大棗は皮が固く、ちょっと煮すぎると中身の柔らかさに較べて皮の固さが際立ってしまいます。
身と皮の柔らかさがアンバランスになり、口に入れると皮だけが残ってしまうのです。
甘くておいしいし、気を補い血を養いリラックス効果があり、といいことづくめです。
どなたか、皮も柔らかくする方法をご存じでしたら、教えてください。 - 参考
- Zizyphus jujuba の画像