蜂蜜(ほうみつ)
- 分類
- 潤下薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 蜂蜜、白蜜、黄蜜、生蜜、煉蜜、百花精、蜜糖
- 基原
- ミツバチ科 Apidae のミツバチ Apiscerana FABICIUS、ヨーロッパミツバチ A. mellifera L.、トウヨウミツバチ A. indica RADOSZKOWSKI などが、巣に集めた花蜜
- 性味
- 甘/平
- 帰経
- 脾、肺、大腸
- 効能
- 補中緩急、潤肺止咳、潤腸通便
1.脾胃虚弱、倦怠、食欲不振、脘腹疼痛に用いる。
蜂蜜には補中緩急止痛の効能があり、烏頭の煎液に蜂蜜を入れて、すなわち烏頭煎となり、寒疝腹痛、手足の厥冷の治療に効果がある。
また薬性の緩和などにも使用される。
補気薬の甘草、黄耆などを蜂蜜で炙してから用いると、補養の効能がある。
2.肺虚による慢性咳嗽、肺燥による乾咳、咽喉乾燥などの証に用いる。
蜂蜜には潤肺止咳補益の作用があり、単独で使うか複方で用いる。
蜂蜜に生地黄、茯苓、人参などを配合した凉玉膏は、虚労による乾咳、喀血などの証に治療効果がある。
蜂蜜には潤肺止咳の作用があり、款冬花、紫苑、百部、枇杷葉などを蜂蜜で炙して用いると化痰止咳薬効果があがる。
3.腸燥便秘に用いる。
蜂蜜には潤腸通便の作用があり、体虚津枯の便秘にはもっとも適する。
単独で使えば、30〜60gを沖服して良い。
また当帰、黒胡麻などの養血潤腸薬を配合して、慢性便秘の治療に効果がある。
蜂蜜には解毒の効能もあり、外用すれば瘡瘍、やけどの治療に用いる。
内服すれば、烏頭、附子の毒をなくす(解毒)ことができる。 - 注意
- 湿熱痰滞、胸部膨満、泥状便、慢性下痢の者には禁忌。
- コメント
- 乾燥する季節や便秘のときにも腸の滑りをよくしてくれて便利な蜂蜜。
ローズマリーやタイム、ティートリー(マヌカハニー)といったハーブの蜂蜜や、龍眼肉、党参、黄耆、枸杞などの薬蜜といわれているものなど、薬効効果がさらに期待できそうなものもあり、そういったものを選択的に使えば症状を緩和させることもできます。
しかしながら、個人的によく使うのはミックスタイプのもの。
『三村さんの百花蜂蜜』というのがお気に入りです。
蜂蜜は、中薬にする植物からとった蜂蜜、ハーブの蜂蜜、百花蜂蜜などいろいろあり、それぞれ味も香りも違うのがおいしいですね。
私は、火を通さない料理、たとえば酢の物や胡麻和え、たれなどに使っています。