羚角鈎藤湯(れいかくこうとうとう)
| 種類 | 平熄内風剤 |
| 出典 | 通俗傷寒論 |
| 組成 | 羚羊角4.5g、霜桑葉6g、川貝母12g、鮮地黄15g、釣藤鈎9g、菊花9g、伏神木9g、白芍9g、甘草2.4g、竹筎15g |
| 方解 | 君-羚羊角-凉肝熄風、清熱解痙 -釣藤鈎-凉肝熄風、清熱解痙 臣-桑葉-熄風 -菊花-熄風 佐-白芍-養陰増液、柔肝舒筋、酸甘化陰 -生地黄-養陰増液、柔肝舒筋 -貝母-清熱化痰 -竹筎-清熱化痰 -伏神木-平肝、寧心安神 使-甘草-諸薬調和、酸甘化陰、舒筋緩急 |
| 用法 | 煎服 |
| 効能 | 凉肝熄風、増液舒筋 |
| 主治 | 肝経熱盛、熱極動風。 高熱不止、煩悶燥擾、手足抽搐、痙厥発作、ひいては神昏、かつ舌絳乾、あるいは舌焦有刺、脈弦数。 |
| 方意 | 本方の証は邪熱が厥陰に伝入され、肝経熱盛、熱極動風によるものである。 邪熱内盛であれば高熱不退を現す。 熱擾心神であれば煩悶燥擾、ひいては神昏を起こす。 熱盛動風、風火相煽のため、手足抽搐、痙厥を起こす。 舌絳、脈弦数等は肝経熱盛の証である。 方中の羚羊角、釣藤鈎は君薬で、凉肝熄風、清熱解痙をする。 桑葉、菊花は臣薬で、熄風の効を増強する。 風火相煽なのでもっとも耗陰灼液をする。 だから、白芍、生地黄で養陰増液、柔肝舒筋をする。 白芍、生地黄、羚羊角、釣藤鈎の凉肝熄風薬をいっしょに使うのは標本兼顧の意義である。 邪熱亢盛なのでよく灼津生痰をするが、貝母、竹筎で清熱化痰する。 熱擾心神なので茯神木で平肝、寧心安神をする。 共に佐薬である。 甘草は使薬で諸薬を調和する。 また白芍と合わせて酸甘化陰、舒筋緩急を果たす。 本方は凉肝熄風なので肝陽上亢による頭痛、頭暈、震顫等にも適応する。 本方は熱極動風を治す代表方剤であるが、温熱病の高熱煩躁、手足抽搐、痙厥にはいずれも治療できる。 もし、熱邪内閉、神志昏迷の場合は安宮牛黄丸、紫雪丹等の清熱開竅の剤を配伍して使用する。 |