鎮肝熄風湯(ちんかんそくふうとう)
種類 | 平熄内風剤 |
出典 | 医学衷中参西録 |
組成 | 懐牛膝30g、代赭石30g、竜骨15g、牡蠣15g、亀板15g、白芍15g、玄参15g、天門冬15g、川楝子6g、麦芽6g、茵蔯蒿6g、甘草4.5g |
メモ | 鎮潜清降の力は建瓴湯より強いが、建瓴湯は寧心安神もできる |
方解 | 君-懐牛膝-入肝腎、引血下行、補益肝腎 臣-代赭石-降逆潜陽、鎮熄肝風 -竜骨-降逆潜陽、鎮熄肝風 -牡蠣-降逆潜陽、鎮熄肝風 佐、使-亀板-滋養陰液、陽亢抑制 -玄参-滋養陰液、陽亢抑制 -天門冬-滋養陰液、陽亢抑制 -芍薬-滋養陰液、陽亢抑制 -茵蔯蒿-清泄肝陽、肝気鬱滞を通暢、鎮潜肝陽 -川楝子-清泄肝陽、肝気鬱滞を通暢、鎮潜肝陽 -麦芽-清泄肝陽、肝気鬱滞を通暢、鎮潜肝陽 -甘草-諸薬調和、和胃調中 |
効能 | 鎮肝熄風、滋陰専用 |
主治 | 肝腎陰虧、肝陽上亢、気血逆乱。 頭目眩暈、目張耳鳴、脳部熱痛、心中煩熱、顔色が酔ったみたい、あるいは時に噫虧、あるいは肢体がだんだん不利になり、口角がだんだん斜め、あるいは眩暈顛倒、意識不明、目醒めても回復できず、精神不振、脈長有力。 |
方意 | 本方の証は肝腎陰虧、肝陽偏亢、気血逆乱によるものである。 肝陽上亢、風陽上擾であれば頭目眩暈、目張耳鳴、顔色が酔ったみたい、脳中熱痛を現す。 肝胃不和、胃来上逆であれば時に噫来をする。 肝陽過亢であれば血が気とともに逆走したら、眩暈顛倒、意識不明、あるいは肢体運動障害、半身不遂等の中風症状を現す。 脈の弦長有力は肝陽亢盛の証である。 治療は鎮肝熄風を主とし、滋養肝腎の陰液を佐とする。 方中の懐牛膝は肝腎の経に入風し、臣薬である。 亀板、玄参、天門冬、芍薬は滋陰陰液で、陽亢を抑制する。 茵蔯蒿、川楝子、麦芽は君薬を手伝って清泄肝陽をし、肝気の鬱滞を通暢させ、鎮潜肝陽をする。 甘草は調和諸薬をし、麦芽と合わせ、和胃調中し、金石類の弊を防ぐ共に佐使薬である。 諸薬は協力して鎮肝熄風の効を果たす。 |