阿膠鶏子黄湯(あきょうけいしおうとう)
種類 | 平熄内風剤 |
出典 | 通俗傷寒論 |
組成 | 阿膠6g、白芍9g、石決明15g、釣藤鈎6g、生地黄12g、炙甘草1.8g、牡蠣12g、絡石藤9g、茯神木12g、鶏子黄2個 |
方解 | 君-阿膠- 滋陰血、熄風陽 -鶏子黄-滋陰血、熄風陽 臣-生地黄-酸甘化陰、柔肝熄風 -白芍-酸甘化陰、柔肝熄風 -甘草-酸甘化陰、柔肝熄風 佐-釣藤鈎-潜陽 -石決明-潜陽 -牡蠣-潜陽 -茯神木-平肝安神 使-絡石藤-舒筋通絡 |
用法 | 煎服 |
効能 | 滋陰養血、柔肝熄風 |
主治 | 邪熱久覇、灼爍陰血。 筋脈拘急、手足瘈瘲、風動みたい、あるいは頭目眩暈、舌絳苔少、脈細数。 |
方意 | 本方の証は邪熱は久覇、熱傷陰血、虚風内動によるものである。 温熱病の後期には、よくこの証が見られる。 血が筋を養わないと、筋脈拘攣、運動障害を起こし、だから、手足瘈瘲になる。 頭目眩暈は水不涵木、肝虚風動の証である。 治療は滋陰養血熄風を主とし、潜陽通絡を佐とする。 方中の阿膠、鶏子黄は君薬で、滋陰血、熄風陽をする。 生地黄、白芍、甘草は臣薬で、酸甘化陰、柔肝熄風をする。 しかし、陰血虚、肝陽偏亢なので釣藤鈎と石決明、牡蠣を佐とし、介穀類薬が潜陽できることによって、肝木の亢を閉塞する。 茯神木は平肝安神で効果を増強する。 絡石藤は使薬で、白芍、甘草と合わせ舒筋通絡をする。 諸薬は協力して養血滋陰、柔肝熄風の効を果たす。 阿膠鶏子黄湯と羚角鈎藤湯はみな平肝熄風の方剤である。 しかし、両者は区別がある。 羚角鈎藤湯の証は風火相煽、熱極生風で、実熱証である。 だから、重点は凉肝熄風にある。 本方の証は熱傷陰血、虚風内動であり、病状は有熱の虚証である。 だから、重点は滋陰養血熄風にある。 |